【ヒロアカ】光速、遠回り【相澤消太】 (ページ3)

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･･････鍵、事務所だ。

帰路を辿る途中にそれに気づき、軽く絶望。

私はこれでもヒーロー事務所の所長だ。

・従業員1名(=私)
・オフィスは家賃5万のアパートの一角
・築18年
・シャワー、トイレ、キッチン付き

とまあ、かなり小規模だが。

事務所に服もシャワーもあるし、そっち行くか。
事務所の鍵は腕のバンドの中に入ってる。

相変わらずのオンボロアパートの角部屋に着く。
溢れんばかりに手紙の詰まったポストを一瞥し、シャワー室へと直行。

ヒーロースーツを脱ぎ捨て、シャワーをさっさと済ます。
血や埃を洗い流し、鏡も見ずに乱雑に髪を括り直した。

綺麗な服に袖を通し、事務所のソファに身を投げ出す。

100日か。さすがに埃っぽくなるわな。

ほんのりと埃の載った恋人との写真を指でなぞり、フッと息を吹きかける。

「･･････相澤君に心配かけちゃったな」

合理主義のサバサバ系に見えて、かなり繊細だもの。

特に高2の時の白雲君のことがあるし。
ヒーローの殉職はトラウマかもしれない。

私からすれば1日も経ってないけど、とても会いたくなってきた。

まだ日は高いし、彼は学校で教鞭を取ってる頃だろう。
邪魔をしに行くわけにはいかない。

よし。
一眠りしてから、彼の家に行くとしよう。

＿＿＿
＿＿＿

春眠暁を覚えず、とも言うけれど。
まあ、寝過ぎた。

ソファに横になって、気づけば窓の外は真っ暗だった。

時刻は午後7時半過ぎ。

事務所のロッカーから家の鍵やスマホ、相澤君の家の合鍵を取り出してポケットにしまう。
ポストに詰められた手紙の類はそのままに、事務所を施錠した。

歩くこと数十分。
ようやく相澤君の家が見えてきた。
もう8時過ぎだが、まだ彼の家は暗い。

「おじゃましまーす」

合鍵で部屋に入る。

相変わらず質素で綺麗な部屋。
物が全然ない。
冷蔵庫もほぼ空。

全く、自炊のじの字もないんだから。
あっ、でもかろうじて米と卵はある。

おじや作ろっかな。

勝手に自炊して、おじや食べててもまだ相澤君は帰ってこない。

働きすぎでしょ。教師とヒーローを遅くまでって。
それか職場の同僚と飲みに･･････ガラじゃないか。

心配だな･･････怪我してたりして。

いやこんな心配をもっと長いことさせてたのは、他でもない私だな。反省。