2話 ページ2
トントンside
その子が来たのは一年前だった。
グルさんの知り合いの妹として、この学校に一緒に通うことして、迎え入れた。
グルさん人脈がありすぎるだろ、そんなことを考えながら、初対面した時。
その子は何かに怯えていた。
俺たちと目が合ってもすぐに目線を逸らした。
「…ごめんね、この子Aっていうんだけど、話すことが今苦手でさ」
グルさんの知り合いであるその子のお姉さんがそう言う。
”今”苦手だということは、前は話せたのだろうか。
そんなどうでもいいことも考えていた。
俺らが住んでいる寮は学校からは少し離れているが個人個人の部屋が広い。
だから、不憫なことはないと思う。
「Aのこと、よろしくお願いします」
お姉さんが頭を深々しく下げるのと同時にその子も頭を下げていた。
それからの日々、特に関わることは無かった。
朝食にはもう居なかったし、夜も遅い時間に帰ってくる。
会っても、お互い会釈を交わすぐらいだった。
そんなある日、確か秋ぐらいだったと思う。
たまたま早起きができたので、二度寝したら遅刻するかもしれないと思い、体を起こすために歩いていたのだが、ばったりと会ってしまったのだ。
お互いに無言の時間が少しあってから
「…おはよう…ございます…」
その子はそう言って会釈をした
俺はそれが嬉しくて
tn「おはようございます、あ、俺トントンって言います」
そう言って、手を差し出した、さすがにまずかったかと思っていたら握って
「…Aです、よろしく…お願いします」
小さな声で、でもはっきりとそう言っていた。
tn「よろしくお願いします、今から学校ですか？」
俺がそう問いかけると、Aさんは頷いた
tn「行ってらっしゃい」
そう言うと、少し驚いた顔をして。
「…行って…きます」
そう言って、外に出ていった。
それから朝の挨拶が俺の日課になっていた。
Aさんは俺が挨拶すると、ちゃんと返してくれて最初の頃小さかった声も、普通ぐらいの声になっていた。
そして、Aさんがいつもより早くみんながいる時間に帰ってきて、俺が
tn「Aさん、おかえりなさい」
そう言うと
「…ただいま…」
そう言って、顔を赤くさせてから部屋に戻っていった
kn「いつの間に挨拶できるようになったん！」
共同スペースであるリビングにいたヤツらにはすごく驚かれた。
うるさいなこいつら
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まつり(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても素敵な話でした！ありがとうございました！実は新作の方も読ませていただいていますので、そちらの方も応援しています！！頑張って下さい！ (2020年5月8日 21時) (
レス) id: 83f48e582b (このIDを非表示/違反報告)
喋るコンソメスープ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！最初から一気に読んじゃって、とても面白かったです！これからも頑張ってください！ (2020年5月6日 17時) (レス) id: 9db4d2d599 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 完結おめでとうございます!これからも頑張ってください! (2020年5月6日 16時) (レス) id: ca0acacdc2 (このIDを非表示/違反報告)
Shaoron - 初コメ失礼しゃす！めっちゃおもろいです！更新頑張ってくださいな〜！←日本語おかしい馬鹿が通りまぁ〜す↑ (2020年4月2日 18時) (レス) id: acfbfe7fa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Liz | 作成日時：2020年3月23日 20時
