繰り返される呪い【進撃の巨人】4 (ページ4)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:17,823 hit

4 ページ4

リヴァイが悲しみに満ちた声で名を呼んだ。
すると、ミルフィーナが重そうに瞼を開いた。

「リヴァイ･･･。好き。あい･･･してる･･･よ。」

「あぁ。分かっている。俺もお前を愛している。」

「リヴァイ･･･いつも･･･そば･･･にいるよ。」

ミルフィーナは掠れた声でそう言って、リヴァイの頭をそっと力なく撫で、その手をリヴァイの頬へと滑らせた。
リヴァイはその手を自分の手でそっと包むと、ミルフィーナは愛おしそうに力なく笑った。

「ねぇ･･･笑って？」

ミルフィーナはその目に涙を溜めて言った。
リヴァイはその要望に答え、口角をスっと引き上げ、目を細めた。
ミルフィーナはそれを見て、元気だったあの時と同じ笑顔でリヴァイに笑いかけた。
その時、窓から陽が差し込み、ミルフィーナの顔を明るく照らした。
ミルフィーナの目に溜まっている涙が光を反射し宝石のように輝いていた。
そして、それは目尻から零れ落ちた。
まるで彼女の魂が抜け落ちるように･･･。
瞬間、ミルフィーナの体から力が抜け、静かに息を吐く音がその場に響いた。
リヴァイは脱力したミルフィーナの体を抱きしめ肩を震わせた。

「ミルフィーナ、愛している･･･。」

リヴァイは繰り返しミルフィーナへ呟き続けた。
そして、リヴァイはミルフィーナの額へ唇を落とした。
そして、まだ温もりの残っている唇へ自身の唇を滑らせた。
そうして、リヴァイはミルフィーナの体をベッドへそっと寝かせ、その髪を指で何度か梳くと、リヴァイは涙を拭い敬礼をした。
その場にいた皆もリヴァイに続き敬礼をし、ミルフィーナの死を追悼した。

それから後日、ミルフィーナの埋葬が行われた。
リヴァイは、ミルフィーナが息を引き取った時のように涙は流さなかったものの、いつもより表情がなくどこか遠くを見ているようだった。
ミルフィーナの埋葬が終わり、エレンたちが帰ろうと背を向けたが、リヴァイはミルフィーナの埋まっている場所から離れようとしなかった。
何も言わず、立ち尽くしているその姿は今にも消え去りそうなものだった。
その時、強い風が吹き辺りに咲いていた花弁が宙を舞った。
花弁は空高く舞う寸前に、リヴァイの頬を撫でた。
それはまるでミルフィーナが悲しむリヴァイを励ましてくれているようだった。
リヴァイは撫でられた頬を触り、花弁の舞い上がって行った空を見上げた。

「ミルフィーナ･･･愛している。これからもずっとだ。」