繰り返される呪い【進撃の巨人】4 (ページ1)

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最終章 1 ページ1

第二十一章
いつもそばに･･･

ミルフィーナはスプーンが持てなくなったことで皆と一緒に食事を摂るのを拒み、部屋で食べるようになっていた。
そして、歯磨きする時、うがいをしようとすると気管に水が入り、咳き込む事が多くなっていた。
ミルフィーナは日々、自分の出来ていたことが出来なくなっていく事に怯え、一人部屋に篭ることが多くなっていた。
リヴァイは仕事の合間に頻繁にミルフィーナの部屋に訪れ傍に寄り添うようになった。
そんなある時、ミルフィーナがリヴァイにボソリと話した。

「私の母が一族の能力は呪いだって言ってた。でも、それが今なら分かる。力を使う度に自分の体を･･･命を削ってるから、そして、力を使いすぎた先に待っているのは死。だけど、母は言ったの。あと一回なら力を使っても問題ないってそれなのになんで･･･。なんで私の体は出来ないことが多くなるのかな。」

「･･･お前の力の引き金は巨人と巨人化できる奴に触れることだ。お前が意識してねぇところで巨人に触れていれば力を使ってる可能性はある。」

リヴァイの言葉にミルフィーナはハッとした。
エレンの送ってきた知性のない巨人の頭や体を飛び移りながら逃げていた事を･･･。
もし、それが原因なのだとしたら、ミルフィーナの近い未来は死だ。
しかし、現にミルフィーナの体はどんどん退行してきている。
それを考えると、ミルフィーナに残された時間はどれくらいなのだろうか？
ミルフィーナは自分が死ぬことが分かり無言でリヴァイに抱きついた。
リヴァイもミルフィーナに抱きつかれたことで、ミルフィーナの未来を理解し、2人で居られる時間を惜しむようにお互い求め合った。
その後の頭痛に襲われようともミルフィーナは構わなかった。
リヴァイを全身で感じられた幸せにはどんな痛みも勝てないと信じているからだ。
この先の未来は死と分かっているから、それまでに思い出を作って、幸せな時間を作りたいと思った。