繰り返される呪い【進撃の巨人】 (ページ40)

今日:17 hit、昨日:0 hit、合計:89,342 hit

40話ページ40

アルミンもエレンの横につき一緒に移動した。
少し進むとミカサやイアン班長がいた。アルミンは何が起きたのか説明するためにそちらにむかった。

「ミルフィーナが、エレンと一体化したんだ。その後すぐにこうやって動き出したんだ！ミルフィーナのおかげでエレンが勝ったんだ！エレンは今、自分の責務を果たそうとしている！だから穴まで援護すれば勝ちだ！」

アルミンがそう言うとイアン班長が力強い声で部下達へ命令した。

「死守せよ！エレンを穴まで守れ！絶対に巨人を近づけるな！」

その命令に皆、覚悟を決めた。そして、心から人類の勝利を祈った。

無事、穴を塞ぎ終えミルフィーナとエレンは巨人の中から出ることが出来た。
ミルフィーナは再びあの不調に襲われ、意識はあるものの、動けずにいた。

「エレン！ミルフィーナ！」

アルミンとミカサの声が聞こえ、ミルフィーナはゆっくりと顔を声のする方向へと顔を向けた。アルミンはミルフィーナの姿を見るなりたじろいだ。

「アルミン、早く2人を出して壁の上へ。」

ミカサはそう言うと、エレンを引っ張り出した。
アルミンはミルフィーナを引っ張り出すとそのまま、ミルフィーナと共に巨人から落ちてしまった。
すると、アルミンは目を見開き動かなくなった。
ミルフィーナもぼやける視界で目の前の光景を見て思考が停止した。
目の前に2体の巨人が居たのだ。

「アル･･･ミン。にげて･･･。」

ミルフィーナはそう言って、必死絞り出した力でアルミンを横へと押した。
直後、ミルフィーナの体が巨人によって持ち上げられた。
ミルフィーナの体力を消耗しきった体に映像が流れ込む。
ミルフィーナの体は限界に来ており、その、映像を認識することが出来ず、大まかなイメージだけが流れた。

「もうやめて･･･もうやだ･･･やめて･･･」

ミルフィーナは今の状況では普通に呼吸するのでさえやっとであると言うのに、そう呟き続けた。
そのためかミルフィーナの唇や指先は紫になっておりチアノーゼが出現していた。
巨人の口も、もうすぐそこまで迫って来ていた。

「あのままじゃ、ミルフィーナは死ぬ。早く助けないと。」

ミカサはそう言って近くにいたリコ班長へ目を向けた。リコ班長は力強く頷きミルフィーナを襲う巨人へとむかった。
瞬間なにか黒い影が勢いよく巨人の背後を通った瞬間、突然巨人2体ともが倒れた。うなじを切られて･･･。