繰り返される呪い【進撃の巨人】 (ページ38)

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38話ページ38

「僕も一緒にさせてくれ。きっとひとりじゃ出てきたエレンを支えきれないはずだ。」

アルミンもミルフィーナのように体をアンカーで固定して言った。
ミルフィーナは、そう言うアルミンにチラッと目を向け小さく頷いた。

「体さえ避ければ死にはしない･･･。」

アルミンはミルフィーナへそう伝えると、ミルフィーナ短く返事をうなじの中央から少し右にズレた所に深く刃を刺した。アルミンもミルフィーナと同時に左側に刃を刺した。
瞬間、エレンが暴れ出し、ミルフィーナとアルミンは剣にしがみつき振り落とされないようにした。エレンはすぐに大人しくなったが、全く動き出す気配が無かった。
そんな状況を静かに見ていたミカサが、
止めろと言わんばかりに、ミルフィーナとアルミンの名前を呼ぶ。

「僕達は今ここでできることをする！だからミカサ、君もできることをするんだ！そして、1人でも多く犠牲を減らすんだっ！」

アルミンはそう叫びミカサに自分の今すべきことを認識させると、アルミンが大声でエレンに話しかけ始めた。

「エレン！聞こえるか！しっかりしろ！ここから出なきゃ僕らは死ぬぞ！」

アルミンがそう訴え掛けていると、ミルフィーナは突然手に異様な熱を感じ自分の手を見た。
すると、ミルフィーナの柄を握る手を巨人の皮膚が侵し始めていたのだ。ミルフィーナは力いっぱい引き抜こうとするが彼女だけの力では全く抜けない。そして、皮膚の侵蝕はどんどん進み足掻けば足掻くほど進みは早くなっていく･･･。

「アルミンっ！」

ミルフィーナはアルミンに助けを求めた。･･･が、アルミンはエレンへ訴えかけることに夢中で一切聞こえていないようだった。
気付けばもう肘あたりまで侵蝕が進んでおり、足からも侵蝕が始まっていた。
ミルフィーナは何度も助けを求めたが、エレンを助けるのに必死なアルミンにその声は届かずとうとう四肢がエレンと一体化してしまった。
すると、ミルフィーナはある感覚に気づいてしまったのだ。
アルミンがエレンに呼びかけうなじを叩く度に、ミルフィーナのうなじにも微かに感覚が伝わってくるのだ。そして、うなじに感じるこの刃の痛みも･･･。