繰り返される呪い【進撃の巨人】 (ページ20)

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20話ページ20

「ねぇ、アルミン。いい加減立ち直りなよ。」

ミルフィーナは生気のないアルミンの顔を覗き込み言った。

「アルミンの身代わりになったエレンはそれで喜ぶの？エレンの死を無駄にするの？」

ミルフィーナがそう問いかけると、アルミンはか細い声で言った。

「僕なんかが兵士なんて無理なんだ。僕は仲間が死ぬのを見てることしか出来なかった･･･。僕が死ねば良かったのに･･･僕が」

パシッ！

「あんたが死んだって、誰も報われない。むしろ死なれたら迷惑なのよ！」

ミルフィーナはアルミンの言葉に苛立ち、ビンタをかまし、怒鳴った。

「ミルフィーナ･･･。」

アルミンは驚いた表情で頬を抑えながらミルフィーナを見ていた。
ミルフィーナはそんなアルミンをギッと睨んだあと他の人たちの元へと向かった。

「･･･こんなに、帰還できない人がいるの･･･。」

ミルフィーナが呟くと、少し離れたところからジャンとコニーの会話が聞こえてきた。
どうやら彼らも、壁を登れないらしい。
そして、登るためには本部へ向かいガスを補給する必要があるんだと･･･。
しかし、本部はもう巨人に囲まれ入れる状況では無い。
しかしコニーは一か八か本部の巨人を倒そうと、ジャンに訴えていた。
ジャンは拒否していた。がミルフィーナも一か八かしてみる価値はあると思ったのだろう。
ミルフィーナはコニーの元へ向かった。

「コニー、その話聞かせて。」

ミルフィーナがそう言うと、ジャンがため息を着いた。

「こんな少ない兵力じゃ、どうにもならねぇよ。それに、誰が決死作戦の指揮をとるんだよ。それにガス補給室は恐らく3〜4ｍの巨人がわんさか入ってるだろうよ。」

ジャンが遠くを見つめながらそう言うとコニーは俯いた。

「あぁ、つまんねぇ人生だった。こんなことならいっそ･･･」

ジャンは力ない声でそう言った。するとミルフィーナがジャンの肩を掴み言った。

「ジャン！ここで諦めていいの！？ジャンはそれでいいの！？いつもの自信はどこに行ったの！ジャンは力がある！力がある人が戦わないでどうするの！？」

「チッ･･･。こんな時に自信なんて持てるかよ。十分に戦えるほどのガスも刃も残ってねぇんだ。」

「そんな･･･。ジャンの弱虫！そんなんで憲兵団に入ろうとよく思ったよね！」

ミルフィーナはジャンにそう言うと少し離れたところに膝を抱えて座った。
ミルフィーナは自分の無力さを再度痛感させられ、溢れる涙を必死に拭った。