16話 ページ16
トロスト区へ降りると、もう既にたくさんの巨人が入り込んでいた。
ミルフィーナは、実物を見るとあの恐怖が蘇り動くことが出来なくなった。
そんな時、ミーナやトーマスがミルフィーナの肩を叩きなんとか気持ちを切り替えることが出来た。
「俺たち、頑張ろうな。」
トーマスがにっと笑い、言いった。
そして、エレンの元へ集まり、士気を高めると、皆一斉に進んだ。
森の中と違って視界が開けた街中で飛ぶのは、新鮮で、ミルフィーナは先ほどとは違い、ワクワクしていた。
ミルフィーナは、鳥になったような感覚に胸を高鳴らせていた。
･･･が、突然目の前から巨人が飛んできたのだ。
「やばっ･･･。」
ミルフィーナは、かろうじて巨人を避けることができ、エレンたちの元へ着いた。
しかし、一人足りないのだ。トーマスがいないのだ。そのことに気づいた皆は息を飲んだ。
巨人がゆっくりとこちらを向いた。
「っ！！」
巨人の口には･･･トーマスが咥えられていた。
助けに行きたいのに皆、体が強ばって動けず、ただ見てることしか出来なかった。
トーマスの体が静かに口の中に吸い込まれていく･･･。
凍りついた皆をハッとさせたのはエレンだった。エレンは仲間を食われた悔しさに身を任せ巨人へ向かった。
「エレン！！」
仲間が呼び止めるが聞こえておらず、エレンはどんどん遠くへと行ってしまう。
ミルフィーナは、エレンを止めるために、急いであとを追った。他の人たちもミルフィーナに続きエレンを追った。
あとすこしでエレンに追いつける･･･。その時、エレンの真下から巨人が飛び出し、下肢を喰われてしまった。そのままエレンはバランスを崩し、屋根の上へと投げつけられた。
ミルフィーナは、エレンから下の巨人へ標的を変え刃を構えた。巨人の後方へ移動し、アンカーを巨人のうなじへと発射した。そして、ガスを噴出しさらにスピードを上げうなじへ斬りかかった。
すると巨人はそのまま倒れ、多量の蒸気を放出して消えていった。
ミルフィーナは、直ぐに屋根に上がりエレンの元へ駆け寄った。
「エレン！起きて！ここで死んだらダメだよ！」
ミルフィーナはエレンの血だらけの顔を掴み叫んだ。･･･が、エレンの瞳は虚ろでなんの反応も示さなかった。ミルフィーナはとにかく安全な場所へ連れていこうとエレンを抱えると、アルミンが巨人に捕まっていた。
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作者名：リー | 作成日時：2018年8月6日 18時
