第四話[消したい過去と生きたい未来] ページ7
「ぷっはぁ!食った食った!
もう茶漬けは十年は見たくない!」
『わぁ………』
「お前...」
どれだけ食べんの...
軽く最低だよな...
あんたの胃はブラックホールか?
私達は結局、あの太宰と云う男に連れられ
食事処に来た。
私としては一刻も早く帰りたいのだが
この状況じゃ逃げられない。
『はぁ、』
「......」
敦「いや、ほんっとーに助かりました!
施設を追い出され、横浜に来て
食べるものも寝る所もなく...
あわや斃死かと」
突然話し始めた敦の会話に驚く
敦って施設出身だったの?
『知らなかった...』
「ふぅん、施設の出かい?」
ピクッ
一瞬、敦の眼が変わった気がした
「出というか...
追い出されたのです。
経営不振だとか、事業縮小だとかで」
『え?』
それだけで敦だけを...?
「......(何か気づいたかい?)」
『!......』
「(酷い)」
心の中で喋って来んなよ
「そういえば...お二人は何の仕事を?」
敦の質問に同意する
確かに純粋に疑問だった
見た感じ"普通の会社"では無さそう
「なァに...
_____探偵さ」
前言撤回
矢張り此奴うざい
すかさず国木田さんが補足を付け足す
「探偵と云っても猫探しや不貞調査ではない
斬った張ったの荒事が領分だ
異能力集団[武装探偵社]を知らんか?」
『「!」』
どうやら敦も聞いた事があるらしい
聞いたことがあった
"異能力"集団...
私の"コレ"もその一つ
『じゃあ貴方達
「!そうだよ。私
「お二人共ですか!?」
何処に反応してんの敦......
そうか、厄介になりそうだ
早めに帰った方が良さそう
『今日はもうこの辺で...「お二人の今日のお仕事は?」
......敦ィィ...』
悉く邪魔し過ぎでしょ!
興味津々かよ!
「......"虎探し"だ。」
「......虎探し?」
『!』
まただ。
また敦の声色、雰囲気が変わった
過去に何があったのこの子...
太宰「近頃 街を荒らしている[人食い虎]だよ
倉庫を荒らしたり
畑の作物を食ったり、好き放題さ
最近、
この近くで目撃されたらしいのだけど...」
ガタッ
突然敦が立ち上がった
『.........敦?』
人には誰しも消したい過去がある
「ぼ、ぼぼ、僕はこれで失礼します」
私はこの異能を持ちながら過去は消せなかった
一体敦の過去に何があった...?
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名:蒼花 | 作成日時:2019年5月23日 18時