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第九話[彼の人] ページ12

何で私まで探偵社に入らなきゃ行けないんだ!




もやもやとしたものに渦巻かれながら
考え込む。





もう人に関わるのは沢山だ。


若しまた(・・)異能が暴走したら?
もうこれ以上一人だって消したくない(・・・・・・)









私は昔よく異能を暴走させていた









初めて暴走したのは産まれた時









近くにいた両親と看護婦数人を消した









産まれた時から私は独りだった









さっき、
太宰の異能無効化の異能を見て思い出した記憶









私は二度(・・)









異能力無効化、無力化の異能力者に
暴走した所を助けられた事がある







一度はさっきも云った産まれた時
異能無力化の女性が私を拾って育ててくれた









だがその女性は私が6歳になる前に
病気で亡くなった









二度目は独りで過ごしていて
或るデパートに迷い込んだ時に強盗事件に巻き込まれた時だ

強盗グループの一人が
私の近くにいた赤子の泣き声に感化されたのか
母子ごと銃で撃ったのだ









其の時私は何処からか声を聴いた









其の声を聴いた後にはもう全てが終わっていた(・・・・・・)








強盗は口から血を吹き斃れ
人質は皆消えていた









私はただ涙を静かに流した
結局私の周りには誰も居なくなるのだ、と。








其の時の私はトランス状態だったらしい


事件を駆けつけた軍警が
私に近づいた途端、血を吹いて全員倒れたのだ







嗚呼、また消えてゆく、
そう思った時だった









私の頭に誰かの手が触れた(・・・)のは







其の手が触れた瞬間
私はトランス状態が切れたのか気を失って倒れた






ただ、うっすらと見えたのは









一言で云うならば"黒"


私と同じくらいの、
それ以上の"黒"を纏った一人の少年だった

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ラッキーカラー

あずきいろ


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作者名:蒼花 | 作成日時:2019年5月23日 18時

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