返し方に困る ページ4
それから数日後。
家に碧也くんからの手紙がきた。
お母さんに
母:なにこれ?手紙?今どきこんなものを送ってくるなんて変わり者ねぇ。もしかして、あんた彼氏出来たの?
と聞かれたので、
真望:違うよ。ぶ…文通。
母:文通!?…あっはははっ。私もよく昔やったものだわー。あんまり誰からも来なかったけどねー。
どうせあんた何しても飽きるんだから無駄よー
と笑われながら言われたので私はそんな母にムカついた。
自室で手紙をあけてみるとまた目眩がしそうになったが、その中には心がこもっていた。だけど碧也くんと出会った時から…あの言葉が引っかかる。
碧也:もしかしたらその間に愛情が芽生えてもっと素敵になるかもしれませんね。
…なんでだろう…なんでずぅっと引っかかってるんだろう…
母:あんた何考えてんの?
真望:はっ!いやぁなんでもないなんでもない。
母:あぁそう。早く返事返しなさいよ。
またせてる子が可哀想だわ。
そうだ…返事書かなきゃ…でもどうやって返事すれば…
と私はしばらく悩んだ。
ああでもない。こうでもない。と何度も書き直しながら。
ついには、学校で返事を考える始末となった。
奈苗:ねえ、何書いてるの?
真望:文通の返事。
奈苗:何それ?真望ってそんなのに興味あったっけ?ねえ、私も考えてみてもいい?面白そう。
真望:面白半分で返すことじゃありません。
と私は奈苗の言葉に反論した。
奈苗:なぁんだつまんないの。
その言葉に私はイラッときた。
真望:国語が出来ないから言ってるの?
奈苗:それは私も。まぁ文通した所で上達しないって。
やって見なきゃわからないのに。と思ったがふと、世間一般にはこういう人が多いと感じた。何もやらず、将来もわからないのにできないと嘆く人。出来ているのにできないと言い訳をつける人。どちらも同じだ。だが、文通おかげで見解が変わった気がした。全くという訳では無いが。碧也くんも碧也くんで人を変えさせられる才能もあるのだろうか?
六海:真望何書いてんの?
奈苗:文通のお返しの手紙だってさ。
今どき古いよねー。
六海:そんな事言うなよ。真望が可哀想だろ。
と悩んでいる時に二人の会話が聞こえた。
まぁ、文通もやり始めたばかりだからあまり固く考えずにした方がいいのかもしれない。そう思って学校が終わってから返事を書いて投函ポストに入れた。
真望:さて、これからどうなることやら…
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作者名:リリア | 作成日時:2019年6月15日 22時