思い出話 ページ2
ある春の日のことだった。
私はちょうど高校1年の時で、彼はたしか中学生当たりだったはず…。
もう何年も前のことだから抜けていてあまり覚えていないこともあるけど…。
始まりは私は勉強しようと思っていた市の共有図書館からだったの…。
…………………
真望:さて、どこで勉強しようかな。っと…。
私は重い参考書を引っ張り出しては持ちながら座るところを探して回りを眺めた。
?:隣。どうぞ。
真望:え?あ、ありがとうございます。
やけに私より小さい身長の男の子だな…と思って、持っていた重い参考書をドサッと私の座る左に置いて座ると、彼から話しかけてきた。
?:あなたは文通に興味がありますか?あ、いいえ、文通だけではなく詩でもいいんです。
真望:ど、どうしていきなりそんなこと…?
と私はいきなり驚いた。こんな子がわたしにそんなことを聞いてくるとは。
もしかして文学少女ならぬ文学男子なんだろうか?
そう思った途端…
?:実は僕昔の文通に憧れていて…特に小説家の人達が盛んだった大正くらいの時期ですかね…あの時代の文通は愛があってとても素敵なんですよ… だから聞いてみたんですよ。
真望:確かに…私も素敵だとは思うけれど、もうこのご時世だから…んーでもそれがいい味を出しているのかもねー。
はっ!いけない!このこの世界に囚われては!と我に返った。
?:ところで、失礼なことかもしれないですけど、あなたの年を聞いてみてもいいですか?
真望:私は高校一年生の15歳。
この前の入学式でここから近い高校に入学したばかりなの。まだなれないことも沢山あるけれど…。
それこそあなたは?
と私は聞き返してみた。そして付け足して…
真望:あと、あなたの名前も教えて欲しいな。
とも聞いてみた。
碧也:…僕より年上だったんですね。先輩。あぁ、失礼。僕は緑野 碧也 だよ。
気軽に碧也と読んで。別に碧でも。それこそ、先輩の名前は?
あぁ…私も名乗るのを忘れていた…。年上ということは中学生だろう…。こんな大人のような話し方とは、なんと生意気で落ち着いたことか。
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作者名:リリア | 作成日時:2019年6月15日 22時