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◇
「おい、授業終わったぞ」
『んー…こんなに真面目に勉強したの初めて。ちょっと休ませて……』
2時間続けて行われたトレインの魔法史の授業に、Aはぐったりと机に倒れ込んだ。
「次、移動教室だぞ。準備しろよ」
『魔法薬学室だっけ。あそこって地味に遠いよね……ってエペルは?』
「エペルならお前が机に伏せてる間に誰かに呼ばれて外にいんぞ」
『そうなんだ。エペルにも教えてあげないとだね、私行ってくるっ』
Aはエペルに次が移動教室のことを伝えに廊下に出ると、そこには
「やめて、ください……っ」
「いいじゃん、ちょっと腕掴んだくらい。男なら平気だろ?」
「こんなので痛がるなんてもしかして女なんじゃねーの?」
エペルに絡む同級生がいた。
我慢しているのか、エペルは悔しそうに唇を噛んでいる。
『ねえ、2人って確か日直じゃなかった?』
「「あ?」」
「Aチャン……!」
『日直の人って、授業の準備とかしないといけないんだよね。次の魔法薬学の授業でもそうなんじゃないかな?』
「「!!」」
Aはエペルの腕を掴んでいる生徒の手を下ろしながら笑顔で言う。
日直だったのを忘れていた生徒は顔を青ざめると、慌てて教室に飛び込み、教科書を片手に魔法薬学室へ走って行った。
『あの2人間に合うかな』
「Aチャン……ありがとう」
『え? 私、なにかした?』
「今、僕のこと助けてくれたんだよね……? ここに来る前もよく絡まれてたんだ、ナヨナヨしてて女みたい、とか本当は女
の子だろ……とか」
エペルはこの可愛らしい見た目から絡まれることが多く、先程もAが間に入ってくれなければ、もう少しで殴りかかるところだった。
そんなことをしてはまたヴィルに何を言われるかわからない。
お礼を言われ、Aは一瞬きょとん、とするが、すぐに笑顔を浮かべる。
『エペルは男の子にしては可愛いと思うけど、ちゃんと男の子だよ? それに、友達が困ってたら助けるなんて普通だよ』
「そーそー。友達なら普通だよな」
「『え?』」
自分たちの会話に突然入ってきた声にAとエペルは振り返る。
そこにはテラコッタ色の外に跳ねた髪に、左目に赤いハートのスートを書いた少年がこちらに歩いてきていた。
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ここ(プロフ) - 蘭さん» 蘭さんコメントありがとうございます!お友達との作品を面白いと言っていただけてとても嬉しいですっ^ ^これからも楽しんでいただけるように頑張ります(*^_^*) (2021年7月8日 8時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - やっぱり面白い!素敵な作品をありがとうございます!!他の作品と一緒に頑張ってくださいね! (2021年7月8日 0時) (レス) id: abaf78baee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ここ | 作成日時:2021年7月6日 14時