検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:5,751 hit

16 ページ17




「おい、授業終わったぞ」


『んー…こんなに真面目に勉強したの初めて。ちょっと休ませて……』








2時間続けて行われたトレインの魔法史の授業に、Aはぐったりと机に倒れ込んだ。








「次、移動教室だぞ。準備しろよ」


『魔法薬学室だっけ。あそこって地味に遠いよね……ってエペルは?』


「エペルならお前が机に伏せてる間に誰かに呼ばれて外にいんぞ」


『そうなんだ。エペルにも教えてあげないとだね、私行ってくるっ』








Aはエペルに次が移動教室のことを伝えに廊下に出ると、そこには








「やめて、ください……っ」


「いいじゃん、ちょっと腕掴んだくらい。男なら平気だろ?」


「こんなので痛がるなんてもしかして女なんじゃねーの?」








エペルに絡む同級生がいた。
我慢しているのか、エペルは悔しそうに唇を噛んでいる。








『ねえ、2人って確か日直じゃなかった?』


「「あ?」」


「Aチャン……!」


『日直の人って、授業の準備とかしないといけないんだよね。次の魔法薬学の授業でもそうなんじゃないかな?』


「「!!」」








Aはエペルの腕を掴んでいる生徒の手を下ろしながら笑顔で言う。
日直だったのを忘れていた生徒は顔を青ざめると、慌てて教室に飛び込み、教科書を片手に魔法薬学室へ走って行った。








『あの2人間に合うかな』


「Aチャン……ありがとう」


『え? 私、なにかした?』


「今、僕のこと助けてくれたんだよね……? ここに来る前もよく絡まれてたんだ、ナヨナヨしてて女みたい、とか本当は女
の子だろ……とか」








エペルはこの可愛らしい見た目から絡まれることが多く、先程もAが間に入ってくれなければ、もう少しで殴りかかるところだった。
そんなことをしてはまたヴィルに何を言われるかわからない。
お礼を言われ、Aは一瞬きょとん、とするが、すぐに笑顔を浮かべる。








『エペルは男の子にしては可愛いと思うけど、ちゃんと男の子だよ? それに、友達が困ってたら助けるなんて普通だよ』


「そーそー。友達なら普通だよな」


「『え?』」








自分たちの会話に突然入ってきた声にAとエペルは振り返る。
そこにはテラコッタ色の外に跳ねた髪に、左目に赤いハートのスートを書いた少年がこちらに歩いてきていた。





17→←15



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (97 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
16人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ここ(プロフ) - 蘭さん» 蘭さんコメントありがとうございます!お友達との作品を面白いと言っていただけてとても嬉しいですっ^ ^これからも楽しんでいただけるように頑張ります(*^_^*) (2021年7月8日 8時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - やっぱり面白い!素敵な作品をありがとうございます!!他の作品と一緒に頑張ってくださいね! (2021年7月8日 0時) (レス) id: abaf78baee (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ここ | 作成日時:2021年7月6日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。