Lilアソート(バレンタイン短編) (ページ15)

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「だって西畑先生と仲ええし」

『あー、いとこやからね』

「え」

まさか、血の繋がりがあるとは思っていなくて
変に冷静に、美男美女の家系なんやな、と感動する。

いや、いとこも別に付き合えるし。

『昨日、一緒に帰れへんかったのは

これ、作ってたから』

受け取ってくれる？

と彼女が後ろ手で持っていたものを
俺の前に差し出す。

"拓哉くん好きです"

そんなメッセージの添えられた
トリュフが綺麗にラッピングされている。

「お、俺にすか？」

『私、拓哉って知り合い
目の前にしかおらんよ』

好き、好き？
俺のことを？Aさんが？

「Aさんっ！好きです！」

『うん、私も、好き』

ガバッと俺が抱きつくと
彼女は少し驚いた声を出しながらも

キュっと優しく抱きしめ返してくれた。

しばらく抱き合った後、
そっと身体を離し、俺はしっかりと彼女の前に立ち

「年下やけど、
絶対Aさんに相応しい男になるし
絶対守り抜きます。
俺の彼女になってください」

と頭を下げた。

『喜んで』

彼女が頭をあげた俺にまた抱きついてきて
あまりの可愛さに
俺の思考が停止したのは…内緒の話。

fin