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青side
背中に手をあてて呼吸を促すけど、北斗はどんどん苦しそうに、もがいている。
息も大きく乱れていて、早く整えてやりたい。
そうしてやりたいのに、北斗は苦しい息の中何度も俺を呼んで、「居なくならないでっ」って。そのせいで、余計乱れるばかり。
もう俺もわけわかんなくて。
どうして、こんなことになっているのか。
とにかく、そばにいることを伝えるべきだって混乱の中でも直感が働いた。
背を摩っても、手を握っても意味が無いから。
ぎゅうっと抱きついて、北斗の後頭部に手添えてゆっくりと撫でる。
樹「北斗っ!!いなくなんない、俺いるよ。今、お前を抱きしめてるの樹だよ。」
北「っ..けほっ..じゅり..?はぁっ、は..」
樹「ん。樹。お前がよく知ってる田中樹だよ」
やばい...なんか変なこと言った。
当たり前じゃんね、北斗の中の「じゅり」が俺なのはさ。
恥ずかしくて、北斗から離れようとしたけれど。
安心したように、深く深呼吸を繰り返す北斗を見てもう一度ぎゅうっと抱きしめた。
普段円陣ですらしないし、ハグだって一瞬だ。
改めて、メンバーを抱きしめるって小っ恥ずかしいけど、今の北斗にはきっと必要な事なんだって感じた。
樹「ほくと...明日、休み?」
こくんと首が縦に振られて、黒髪が俺の耳をくすぐる。
樹「じゃ...うちおいで。話そう?」
またこくんと。
ゆっくりと離れて、北斗の顔を見れば、頬を赤く染めてふにゃりと笑っていた。
これは....照れてるとき。
本当に分かりやすくなって。
むしろ分かりやすくなりすぎて、こっちがモジモジしてしまう。
樹「照れてんなよ...。やめろよ、こっちがなんかさぁ」
北「...んへ...だって、うん。まぁ、いーじゃない..ね?」
樹「後で聞くけどさ。俺、ずっといんじゃん。飽きるくらいさ...まだまだいるぜ?きっと笑」
当たり前のことを言ってみる。
そんな、いなくなることなんてあるかってね。
このグループがある限り、ずっと一緒。
北「っ...そ、れで..いい。それがいい」
ぽそりと聞こえた北斗の言葉に、なぜか涙腺が緩んでしまったのは内緒だ。
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リクエストありがとうございました!
@MiKAN__rain
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作者名:みかん | 作成日時:2021年2月3日 23時