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12話 ページ12
一気に騒がしくなる病院に、今度は嬉し泣きをするエマを呆然と見ていた。
『…助かった…？…死ななかった……生きてるｯ…！良かったな！エマ！！ドラケン君生きてるって！』
｢うんっ！｣
私の知ってる通りじゃなくて良かった、エマが笑っててくれて良かった
本当に良かったと涙を流した。
私たちは帰ることになり、外に出ると圭介が待っていたようだった。
ヘルメットを投げて寄こしてきたので、それを被り後ろにまたがる。
『2人は帰れる？』
｢うん大丈夫ー！またねA〜｣
2人にバイバイをしたのを確認してから圭介はエンジンをふかして進んだ。
背中に耳をつけると伝わってくる心地よい体温と心音。
あの日、棺に花を添える時に触れて伝わってきた冷たさとは全く違うものだった。
『ドラケン君も死ななかった、圭介にも生きてて欲しいなぁ』
エンジン音より小さく呟いた。
｢なんか言ったか？｣
『んーんー！なんでもないっ！』
｢てか、あんまオフクロ泣かすようなことすんなよ。怪我なんかしやがって｣
『圭介こそな』
この温度もどうかなくならないで。
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作者名：らいあ | 作成日時：2021年10月18日 17時
