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「旦那様のお望み通り、狼の獣人と見えます！」
「ああ、そうだな‥、黒く長い髪に少し焼けた小麦色の肌、‥狼の獣人、、あいつにそっくりだ！」
俺を誰かと重ねているのか、愛しそうに見詰めて、手当てをしてやってくれとあの医者に言う
救急箱を持って歩み寄ってきた男は皮膚を裂いて生えてきた耳と尻尾の付け根に消毒をして、包帯を巻いた
「君のおかげで俺も評判が上がるよ」
なんて汚く笑って
その日の夜も、次の夜も、その次も
「好き、好きだ＿＿」
誰か知らない人の名を口にして俺の体を揺さぶる
ソレが終わればまた俺は白い物を吐き出して、掻き出して
溢れる涙が枯れることはなくて
日中の鍛練の時間も減らされて、ただただキャンベル様に付いている
そんなある日、苦しそうな声を上げて倒れたキャンベル様
息苦しそうな呼吸
俺にこんな酷い仕打ちをしている人なのに、目の前で誰かが死ぬなんて耐えられなくて、怖くて、泣きながら人を呼んだ
小さい城だから、専属の医者なんていなくて次の日漸く医者が来た
あの日俺に薬を飲ませた
「‥、もう長くはないですね」
「なんだと！？」
「てめぇなに言ってやがる！！」
眠るキャンベル様を横に騒ぎ立てる護衛達
「じ、事実です！！私の腕はそれで十分ご存じでしょう！？」
指をさされたあとすぐに視線が集まる
悲しそうにうつむく者や、どこか嬉しそうにする者
ぴくり、と動いたキャンベル様はゆっくりと目を開けて、俺の少しゴツゴツした手をか弱く握った
「＿＿‥、‥側に、居てくれ、」
知らない名前を口にして、悲しそうに、懇願するように呟いた
ぢくぢくと痛む心から流れる血は気にしないで、か弱い手を両手で握り返してベッドの側に座り込む
貴「‥お側に、居ますよ‥、‥キャンベル様、」
満足げに笑ったキャンベル様は、小さく寝息をたて始めた
.
眠るキャンベル様について数日、ついにキャンベル様は息を引き取った
この姿になってから最期まで、俺の名が呼ばれることなんてなかった
護衛たちは声高らかに、城にある宝を持って出ていった
残されたのは俺と、キャンベル様の亡骸
この城を少し行った先にある眺めの良い場所に墓を作って埋葬した
誰かが俺の人生を見たらバカすぎだとかお人好しだって言われるんだろうけど
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ただのD判定の人。(プロフ) - あ、ごめんなさい！色々と間違ってました！下のコメ忘れてください！((え (2020年8月19日 18時) (
レス) id: ba2d48fc22 (このIDを非表示/違反報告)
ただのD判定の人。(プロフ) - なんか表示されてるのが名前になってます... (2020年8月19日 18時) (レス) id: ba2d48fc22 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるこ氏(プロフ) - 大好きです、、久々に泣きました、笑この作品を作ってくださりありがとうございます、、！この作品に出会えてよかったです、！頑張ってくださいね、応援してます！( ^ω^ ) (2020年8月19日 4時) (レス) id: f3351ce51f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2020年8月3日 17時
