キャンベル家 ページ11
痛む体と震えるような寒さのおかげで目が覚めた
夕焼けの草原とは違うようで、此処は来たときから少し肌寒かった
動かしにくい体に鞭を打ってもう一度浴場に向かう
「思ったより綺麗な顔してんじゃねぇか」
「髪も綺麗だなぁ‥、伸ばせばもっと良いんじゃねぇか？」
そんな言葉が脳内で響いて、湯気で曇る鏡にシャワーを掛けた
チェカ様と逆にしたような、金髪で切った毛先だけ真っ赤な髪
切れ長の割に大きな目は薄い紫色
抵抗したときに殴られたのか、口許が切れていた
「名前？どうしたんだ？」
そんな見知った声が聞こえた気がして、振り返っても見えるのは冷めた湯が入った浴槽だけ
ピチョン
響く水音はシャワーの水か俺の涙か
知る者は居ない
.
その日から毎日、ソレは行われた
今日は俺が、俺が、俺が
そうやって毎日別の男と
俺も同じ男なのに
伸びてきた髪を切ることなんて許されなくて、もう鎖骨に当たるほど
そんな俺の髪を、男共は愛しそうに持ち上げて口付けをする
汚い
俺の体を撫でて揺さぶって
きたない
歯形をつけて、欲を吐き出して
キタナイ
その後は服と一緒に部屋の扉へ投げられて
「さっさと出ていきな」
なんて
なぜ俺はこんななんだろう
.
.
.
皆ようやく俺に飽きたみたいだ
鍛練は毎日あるし、ご飯もある程度は食べるから筋肉もしっかり‥とまではいかないがうっすらついているし
「名前」
その場に響く声で俺を呼んだのはキャンベル様
結婚もしてなければ子供も居ない、この家にただ１人のキャンベル様
呼ばれるがままに駆け寄って、怒られないように跪けば
「随分と髪が伸びたな」
そう言って俺の伸びた髪を掬い取ったかと思えば、ぐしゃと握りつぶして
「この色が、気にくわない」
その声を合図に近くにいた護衛達が俺の両腕を固定する
貴「な、なっにを、！」
「染めるんだよ、その髪をな」
拘束されていて、後ろは上手く見えない
ぼちょん、と音がしたかと思えば、髪が重くなる
水かなにかに入れられたみたいだ
ぐいぐいと髪を引かれて痛くて声を漏らせば、キャンベル様に腹を蹴られる
ボロボロと涙を溢せば、それはもうあの気持ち悪い笑みを浮かべて
「ふは、はははっ」
なんて高らかに笑った
.
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ただのD判定の人。(プロフ) - あ、ごめんなさい！色々と間違ってました！下のコメ忘れてください！((え (2020年8月19日 18時) (
レス) id: ba2d48fc22 (このIDを非表示/違反報告)
ただのD判定の人。(プロフ) - なんか表示されてるのが名前になってます... (2020年8月19日 18時) (レス) id: ba2d48fc22 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるこ氏(プロフ) - 大好きです、、久々に泣きました、笑この作品を作ってくださりありがとうございます、、！この作品に出会えてよかったです、！頑張ってくださいね、応援してます！( ^ω^ ) (2020年8月19日 4時) (レス) id: f3351ce51f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2020年8月3日 17時
