別時間軸19・ごめんね ページ9
かなえに謝れたらどれだけ良かったんだろう。
補習を抜け出してでも行くべきだった。
「…ごめんね、かなえ…」
謝っても謝りきれなかった。
「……って言うのが、私の過去なの。補習のせいで、私のせいでかなえは…」
そう言うと、鏡花ちゃんが口を開いた。
「貴女の想いはきっと、そのかなえって人に届いている。誰も悪くない。悪いのは、魔女。」
「そうですよ!鏡花ちゃんの言う通りです。…もしかして、やちよさん達と疎遠になってしまった理由って…」
私はその話の続きをした。
「……その後、メンバーに加入したのは安名メルって言う女の子だった。……でも、彼女は……魔女になってしまったの……。それがきっかけで、やちよさんとは疎遠に……」
「そうだったのか……。辛かったな。」
道造くんはそう言うと、私の頭を撫でてきた。
ト者の魔女のことは今でも覚えている。
メルが魔女になった姿で、私と鶴乃ちゃんが知らずに倒していた。
あとから知った私は後悔に苛まれた。
どれだけ謝っても、泣いても、メルは帰ってこない。
「……その、僕が言うのもなんですが…。メルさんにも、Aさんの思いはしっかり届いてるって思います。メルさんも、かなえさんも、見守ってくれてるって僕は思いますよ」
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作者名:柚希 | 作成日時:2023年8月24日 14時