十人長と魔法少女。2 (ページ38)

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ムルソー脱出ページ38

みこと目線
　先にムルソーの出口にたどり着いたのはドストエフスキーだった。
その先には魔術師･ゴーゴリがいた。
｢脱出ゲーム、先に脱出したのはドストエフスキー選手！！｣
｢では、例のものを。｣
ゴーゴリさんは外套からアタッシュケースを取り出した。
｢あれって……これ？｣
それを受け取ったドストエフスキーさんはヘリコプターへと向かった。
｢あれ？打たないの？｣
｢ヘリの中で打ちますよ。｣
アタッシュケースが地面に落ちる。
｢大事なものをこんなふうに扱っちゃダメじゃ────｣
鮮血が滴る。
協力者であるはずの吸血種が刀のようなものでドストエフスキーさんを貫いた。
｢残念だね。｣
そこに太宰さんもやってくる。
｢……君では私を殺,せない。昔、こう言うのよくやったよねぇ、中也｣
｢黙れ！！｣
あたしはそれを見て驚いた。
中也さんは吸血種になったはずだったのに。
全ては演技だった、と言うわけなのだろう。
｢みことちゃん、演技も感情の一つだよ。それから…君の人格はもう一つあるだろう？その人格は今、敦くん達の所にいる。違うかい？｣
｢流石だね、んふふ。｣
中也さんは私の方を見て不思議そうな顔をしていた。
｢人格ってどう言うことだ、太宰｣
｢ん？そのままの意味だよ？彼女は既に死,亡している。魔女になると言う形でね。そうなる前に人格のみを分離させ……他の魔法少女に寄生することができるらしい。｣
中也さんは信じられない、という顔で私を見ていた。