剣 ページ36
文ちゃんは机を必死に押す。
「抜けろ、抜けろ、抜けろぉぉぉ!」
机は私たちのいる場所から落ちるが、途中で止まってしまった。
「自分を責めるな。重さが足りなかった、それだけだ。」
「そぉか。よぉ分かった。ここにあるやん、机より重いもん。」
そう言って文ちゃんは端に立った。
「ブラちゃん、A、有難うな。」
文ちゃんはそう言って飛び降りた。
その衝撃で机が落ち、剣も抜ける。
「文ちゃん…。」
「娘よ。そなたにはまだやり残したことがあったのでは無いか?」
そうだ、やらなきゃいけないこと…。社長を助けに行かなくちゃならない。
その時だった。
「なら、あたしをAちゃんの中に入れてよ。悪いようにはしないよ。あたしなら、社長さんのいる場所も分かるし、ムルソーで起きたことも分かる。どう?んふふ。」
「分かった。好きにして。」
みことさんは私の中に入る。
ブラムさんと共に下に降りると、芥川が文ちゃんを助けていた。
「ウチ…生きてる?」
「余が権能を動かして、救出させた。」
ブラムさんは文ちゃん達に跪く。
「これからは、娘二人の騎士だ。」
文ちゃんと別れた私は、雫ちゃんの作った通り道から社長の居るところへ向かった。
社長の手には雨御前が握られていた。
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作者名:柚希 | 作成日時:2023年8月24日 14時