十人長と魔法少女。2 (ページ30)

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それがあたしに出来る唯一のことページ30

太宰目線
　みことちゃんはしばらく黙り込んで叫んだ。
「何も知らないくせに、知ったような口を聞かないで！あたしは、何人も魔法少女がタヒぬ所を見てきた！魔女になる所も沢山見てきた！そんなことも知らないくせに、ただが若者が知った口を叩かないでよ！あたしのこと、何も知らないくせに！台無しにしてめちゃくちゃにする。それがあたしに出来る唯一のことなの！」
「確かにそうかもしれないね。けれど、それがなんだ？私も何人もの人がタヒんでいくところを見てきた。君よりも遥かに見ているよ。君の過去を取り上げる権利は私にない。かつて、私は新入社員にこう言ったよ。『自分を憐れむな。自分を憐れめば、人生は終わりなき悪夢だよ。』と。確かに、君の人生は壮絶なものかもしれない。けれど、憐れんでしまえば終わりがなくなってしまう。違うかい？」
みことちゃんは黙ったまま何も言わない。
しばらくの沈黙を彼女自身が破った。
「……っ、ねぇ、貴方に分かる？友達を失う痛みが。貴方には分からないでしょ？滅びちゃえばいいのよ。こんな世界。」
「わかるよ。友人を失う悲しみは。私もそうだった。だからと言って、私はこの世界を滅ぼそうだなんて考えていない。考え直すんだ、みことちゃん。」
みことちゃんは俯いたままだった。

だったら、最高の滅びを見せてあげる→←選んだ理由