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選んだ理由 ページ29

シグマ目線
 「選んだ理由はね、国木田くんの変わりさ!だって、君、面白い反応するからねぇ。」
そうだ、太宰(こいつ)はこう言う奴だ。
それはいいのだが、みことは何故私たちに着いてくるのだろうか?
それが不思議でたまらなかった。
「みこと、なぜ私たちに着いてくる?」
「だって…面白そうだったから。全部台無しにしちゃおうよ。このムルソーも、世界も。それが貴方たちにできる反撃だと思うよ。」
台無しにすることが反撃?
彼女は何を言っているのだろうか。
「あたしの暗示を使えば、簡単にムルソーから出られるよ?どうする?」
「……私は一人で脱出する。みこと(お前)の力を借りなくても、な。」
エレベーターに向かって歩いている時、みことが立ち止まった。
「……本当に一人で脱出できると思ってるの?貴方のことは全部知ってる。三年前、貴方は本に書き込まれたことによって生まれた人間。つまり、三歳。見た目だけ大人だけれど、そこまで考えていなかったのかな?あたしはただ、貴方達に力を貸したいだけ。それで、反撃して、めちゃくちゃにしちゃおうよ。」
「みことちゃん。一つ君に言わせてくれないかい?君の人生がどうだったかなんて、私たちには分からない。だが、君は本当にそれでいいのかい?嫌なもの、気に入らないものがあるからと、めちゃくちゃにするだけで納得できるのかい?」
みことは黙り込んでしまった。

それがあたしに出来る唯一のこと→←番外編・滅ぼすのは違う



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作者名:柚希 | 作成日時:2023年8月24日 14時

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