番外編・お人好しも大概に ページ27
敦目線
僕はヨコハマの街を歩いていた。
そこに、一人の女の子が悲しげに座っていた。
「君、どうしたの?」
「……貴方、Aちゃんの仲間の……」
確か、この子は瀬奈みことちゃん。
最近、横浜でよく見かける子だ。
「何かあったの?」
「なんでもないよ。……ねぇ、それってなんのために聞いてるの?聞いたところで貴方の何になるの?」
「ほ、ほら、困ったことがあったら助けられるかもしれないでしょ?……だから、話してくれないかなって」
みことちゃんは俯いた。
……しまった、今のはまずかった。
みことちゃんを怒らせたのがすぐに分かった。
「お人好しも大概にしてよ!困ったことがあったら助けられる?笑わせないで!ただが十代の青二才が……分かったような口を聞かないで!魔法少女だからって理由だけで圧をかけられる、利用される気持ちなんて貴方には分からないよ!」
「ご、ごめん……。」
みことちゃんは僕に背を向けて歩き出す。
数歩歩いたところで彼女は振り返った。
「……貴方と私では何もかも違う。異能力を持ってて、皆から愛される貴方には分からないよ。さぞかし、両親にも愛されたんだろうね。」
「……僕は、つい最近まで孤児院にいた。異能のせいで折檻されて、虐げられて……。確かに、みことちゃんと僕とでは境遇が違うかもしれない。みことちゃんの気持ち全部を分かって上げるのが無理でも、力になることは出来る。」
みことちゃんは立ち止まったままだ。
「そうなんだ。……なら、孤児院を滅ぼしちゃう?台無しにしちゃう?」
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作者名:柚希 | 作成日時:2023年8月24日 14時