本気で勝つかもしれない ページ25
シグマ目線
凄い。太宰はここまで考えていたのか。
パソコンを操作した太宰は、エンターキーを押した。
「やぁ。どうだい?もうすぐ溺れタヒぬ気分は。」
「ぼくはこんなことでは殺,せませんよ。」
水は既に肩が浸かるか否かのところまで来ている。
「それはどうかなぁ?こっちには私もいるよ?ふふっ、その扉は異能に耐える特殊な金属。中也さんの異能でも開かないよ。」
「中也は触れた物質に対してだ。つまり、液体はやや苦手。……中也、こんなことになって残念だよ。君とたまに心を通わせたこともあったね。例えば…────」
勝つぞ。超人相手に本気で勝つかもしれない。
みことも得意げに見ていた。
「ごめん!特になかった!…グッド・バイ!」
そうして、モニターには中原中也だけの帽子が浮かんだ。
出口と反対の方向に歩いていたのも、このためだったのだ。
凡人の私では到底思いつかないであろう。
「……でも、相手は『魔人』ドストエフスキー。簡単にはやられないって思うけどなぁ…。私がドストエフスキーなら、対策するもん。なにか起きるかもね。」
みことは太宰について行く。
遅れを取らぬよう、私もその後を追いかけた。
「そう言えば…どうして太宰は私を選んだんだ?」
ずっと疑問に思っていたことを聞いた。
あの中には脱獄に役立つものもあっただろうに。
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作者名:柚希 | 作成日時:2023年8月24日 14時