十人長と魔法少女。2 (ページ21)

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作戦ページ21

シグマ目線
　みことは絶えず私に話しかけてくる。
「お兄さんはさ、お家が欲しいんだよね？なら、暗示をかけてでも手に入れなきゃダメだよ」
「……は？」
思わずそう聞き返した。
みことの言っている意味が理解できなかったのだ。
くすくすとみことは楽しそうに笑う。
「だってさぁ……あの天空カジノ……お兄さんの家だったんでしょ？十三年前とか言ってるけど、あのカジノが出来たのは八日前だし……それに、お兄さんってさ……」
「それ以上喋るな、瀬奈みこと！」
思わず怒鳴ってしまった。
ハッとして顔を上げる。
みことは傷ついたような顔をしていた。
「……ごめん、喋りすぎちゃったね。作戦、考えなきゃ」
みことは太宰に続き、司令室に入っていく。
「そうだ、ここに鏡を設置しようよ！それで、神浜中の魔女を集めるの！そうしたら圧勝だよ、ふふっ。それか、ドストエフスキーに暗示かけちゃう？」
「ドストエフスキーがそんな罠にかかると思うか？ドストエフスキーの事だ、みことの作戦などお見通しだろう」
みことはくすくすと笑っている。
「えー？でもさ、私、そのドストエフスキーには姿見えないよ？だから、こっそり近づいて暗示かけちゃうの！どう？面白くない？」
「……危険な賭けだ、やめて置いた方がいい。何されるか分からない。」