別時間軸11・雲の向こうは ページ11
立原目線
どこかで読んだ本にこう書いてあったことを思い出した。
『雲の向こうはいつも青空』。
誰が書いた本なのかは覚えていないが、素晴らしい言葉だと思った。
虎の野郎が口を開いた。
「……Aさん。これは、僕が読んだ本に書いてあった言葉です。「頭は間違うことがあっても、血は間違わないものであること。昔、私は、自分のした事に就いて後悔したことはなかった。しなかった事に就いてのみ、何時も後悔を感じていた。」って。だから、Aさんのしていることは、正しいって思います。……だから、どうか、自分を苦しめないでください。」
「……血は間違えない、か……。でも、正しさとか、間違ってるかなんて分からない。けど、マギウスに入ったのは後悔してない。後悔してるのは、かなえ達のことだけ。……私は、ヒーローになりたかっただけなの」
黙って聞いていた俺は、言いたいことがあって口を開いた。
「……だったら、なればいい。俺にも正しさとか、間違いとか分かんねぇよ。その組織に入ったことを後悔してねぇならそれでいいじゃないかって俺は思うぜ。かなえとメルがどう思ってるかなんて、俺には分からねぇけどな。」
そして、俺たちはそれぞれの帰路についた。
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作者名:柚希 | 作成日時:2023年8月24日 14時