マリオネットの本心3【谷山紀章】 (ページ31)

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第129話*Leon Side ページ31

突如の謝罪の連続…
さっき、Aが自身の携帯を見て止まった

そんな由佳の携帯にも、
1つの音が鳴った

………"他人の携帯を見る"というのは、
野暮と言うもので、
そして、プライバシーの侵害に当たる

数秒して、由佳がAの名前を呼び始めたものの、
それに反応したのは、少し後のことだった

そんな様子を見ては、"面を貸せ"なんて言うものだから、
あまりにも突拍子で、滅多に大勢の前で汚い言葉を吐かない由佳だったから、
俺は、面を食らうばかりだ

A「…見つめても、何も得しないよ
ユッカ」

先程よりもはきはきと喋るAに、
"酔い、覚めたでしょ"と的確に当てていった

Aは何処か驚いたように、目を見開いては、
少しのラグを生じつつも、"ゴメン"と口に出した

少し、空気が淀み始めた
"居心地が悪い"と本能がそう、叫んでいる
………いや、一緒になって飲み始めた奴が言っていい台詞じゃないのは、
百も承知なんだけど

"負け戦のほぼ確定"

それを口にしたAだったが、
その次に言葉にしたのは、彼氏の名前＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

A「紀章さん、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿」

ゴメンなさい

綻びた言葉
それに対し、彼氏は″何が″と尋ねた

″それは…″となかなか言葉に出せないAを
ただ見つめていた

それほどまでに、
答えられたいこと…
しまいには、由佳まで知り得たこと

それは、お互いが共通して
知っている人物からの連絡で、
″負け戦の確定″と評したことから察すれば、
家族関係、が妥当なところかなぁ………

大層、俺たちが家庭事情に
口出ししていい訳でもなく、
何も言えない状況に、
俺も後悔が募る

いつしか、Aが俺の心を代弁してくれたあの日、
自分がそう思っていたことを理解してくれたあの日…

俺は、どうしたらお前に恩を返せるのかな…