マリオネットの本心3【谷山紀章】 (ページ22)

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第120話ページ22

あれから、全員が揃い、
乾杯となった
………理由は知らないけど、
何故か僕が乾杯の挨拶をやらされるという、
摩訶不思議な事態に遭遇したものの、
適当(悪い方ね)に済ませては、
打ち上げがマンションの個室で開催された

程々に話していたものの、
由佳が"つんつん"と呼ぶものだから、
"んー？"とぶっきらぼうに返したものの、
"2人で話したいんだけど"と言われ、
"珍しいね"なんて言いつつ、飲んでいたアルコールを持っては、
2人で外に出た

勿論、紀章さんは"襲うんじゃねぇぞ"とか言い始めるものだから、
悪ふざけの言動が飛び交ったものの、
"しません"なんて由佳がふざけないものだから、
紀章さんも黙ってしまった

A「僕に改めて話とか、どうした？」

由佳「…いや、ただ二人きりになりたかった」

そう言った由佳の声色で、
"本音"と言うことを理解した

由佳「クリスマス、過ぎたね」

A「………だね
あっという間だった……」

由佳「何時からだっけ…？
強制帰宅宣告されたの」

A「あれは、確か5月だから、
半年以上前になるね＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿」

そんな他愛もない話
けど、どうにかその話から逸らそうと試みるも、
どうしても、逸れない

A「…"ゴメン"なんて要らないよ」

その言葉で、いきなり振り向いた由佳

………やっぱりそうだ

A「由佳も、誰も悪くない
…僕の家庭事情が特殊過ぎるだけなんだって
悲しい事も、謝罪も要らない
どうせ、僕は忘れちゃうし」

苦笑交じりに言えば、
"嘘つき"なんて言われる

A「おいおい、"嘘つき"呼ばわりは酷い
流石に、僕泣くぜ？」

由佳「他の人には言っちゃうくせに、
肝心の私や紀章さんとかには言わないじゃん…」

A「いやいや、待って待って
何の話してるの？」

話が読めない

由佳のことを理解していたつもりだったが、
とんでもない誤算のようだ

目を見ても、何もわからない

…ただ、何かを訴えようとしているのはわかる

けど、奥深く＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

心意まで、読めない

A「いや、マジ何考えてんの」

由佳「それ、ブーメランなんだけどｯ！」

駄々をこね始めた由佳

…いや、こっちは全くわからないから聞いてるのに、
全然話が通じないんですけど！
駄々こねたいのは僕です！！！！