I、愛、哀【谷山紀章】

▽ ページ40

浪川「それ、世間では"セクハラ"って言うからね！？！！」


森久保「いやね、わかるけど…！
今、出していいかどうかだと………
出しちゃ、まずいよね」


"ストッキングって色っぽいよね"


確かに、相方様もよく高校の時に証言はしていた
…それに、僕の肌の色があまりにも白いからさらに引き立つらしい

だけど、言っていい場所というものがあるのは事実だし、
ストッキングについては、スタッフによるものだし
不可抗力だ


紀章「あのね、わかってほしい
ここら辺の微妙に肌の色が見えてる感じの…
本当にね、ストッキングは色っぽいの」


熱弁をし始める紀章さんを
止める術はない


A「大人すぎる話は、延長戦が終わってからにしてください」


紀章「いやぁ〜、ね？」


そう言った紀章さんの目は、
既に捕食者の目

ギラギラと何かを訴えかけてくるその目によって、
心臓に穴が開くかと毎度ながら錯覚する


浪川「危ないから、席を交換しよっか」


浪川さんの言葉に、素直に従うと
紀章さんは"何でよ、大ちゃん！"と言い始めた


森久保「紀章、後輩を食らおうとするから」


紀章「まだ食べてない！」


浪川「今頃見始めた人からすれば、
勘違いするよ
付き合ってるって」


A「彼氏なんて、今まで一度もいたことないから安心してね〜」


森久保「ないの！？」


浪川「ちょっと、爆弾発言止めてくれない！？
収拾つかなくなるよ！」


A「詳しくは、延長戦で語りま〜す
見てね〜」

キャラではないものの、
勘違いされてネットで炎上(？)でもしてみろ
…絶対、マイナーなこと書く人は現れるし
そういう人が大抵僕のことを叩き始める


とりあえず、
延長戦で語るは決まったし
その話題はほんの少しで終わるはずだ


A「…さて、もう少しで終わってはしまうのですが
僕からのサプライズ的な、はい」


スタッフが洒落た紙袋を持って来てくれて、
僕は受け取った


A「皆さん、ご存知の通り
今日は、ヴァレンタイン…
なので、スタッフの方々は少ないですけど後ほど手渡しさせていただきます
……で、これはお三方へのバレンタインです」


紙袋を渡すと、
喜ぶ三人はまるで無邪気な子供のよう…


浪川「荷物多いなぁとは思っていたけど…
あー、そういうことね！」


森久保「え、もしかしてこれ生チョコ！？」


A「はい、
生チョコとクッキーと生キャラメルですね」


説明をすると声が上がる
…美味しいとは断言できないけどね

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