君の笑顔は100carat【天月】

お説教 ページ27

「なんで自分に毛布かけなかったの？！！」

『ぇ、だ…だって……翔くん寒い…』

「Aちゃんだって寒いでしょ？！」

『………寒くないし』


俺が問い詰めるとむすっとした表情でそっぽを向く彼女

嘘をついているのは丸わかりだ


「はぁ…もっと自分を大事にしてよ」

『してますぅ！』

「何その顔…ww」


出会った時に比べたら遥に表情豊かになったAちゃん

色んな顔を知る度に嬉しくなって、それが俺の前だけならいいのにと何度も願った


『…っ、それより！』

「ん？」


可愛い彼女の顔をじっと見つめていたら、今度は急に不安げに瞳が揺れた


『……昨日のこと、で…なんか覚えてない？』

「え、俺なんかした？！」

『い、や…そういうわけ………でも、あるんだけど』

「あるんじゃん！」


(え…なんだ俺！何したんだ！)


頭を働かせようとしても、帰ってくるのは頭痛だけ

でも…Aちゃんが聞いてくるくらいなんだから本当に何か失礼なことをしてしまったんだ



絶対思い出さないといけないくらいやばいこと…とか



『あ、覚えてないなら…全然！大丈夫だから！』

「でも……」

『ほんと！ほんとに大したことじゃないし』

「なら、良いんだけど…」


そして、半ば強制的に考えるのを辞めることになった俺はそのままAちゃんの家を後にした



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