【夢小説】2BRO. 短･中編集 (ページ16)

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Traveler(弟)03 ページ16

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「と、とりあえず携帯で……！」

(嘘、圏外…さっきまで使えてたのに…)

携帯の電源を入れるが圏外と表示され、唯一の連絡手段が途絶える。

(ここ…なんかおかしい)

すぐにここを離れた方がいいんじゃないか？
でも、どこに行けばいいんだろう。
今頃弟者くんが探してくれてるかもしれない。
動かない方がいい？

「あの、大丈夫ですか？」

「！？」

私が不安に駆られてる状態で思考を巡らせていると、突然背後から声をかけられ、びっくりしながらも声がした方に振り返る。

振り返るとそこには私より少し背が高い、眼鏡をかけた赤髪の少年が立っていた。

「あ、えっと……」

(現地の子？香港ってたしか英語………ん？)

「…に、日本語、話せるの？」

「あ、はい。僕こっちに住んでる日本人なので」

まだ声変わりしていない、あどけなさが残る声でそう言って微笑む少年は、何か困ってますか？と私に聞いてくれたので、おかげで少し安心する。

私は彼に一緒に来ていた人とはぐれてしまっていつの間にかこの場所に来てしまったことを伝えた。

「そうなんですね。そしたらここを出て、大通りがあるところに行った方がいいかもしれません」

この辺は似た建物ばかりなので、と少年は苦笑する。

「そしたら…えっと、駅がある大通りってここからだとどの方角になるかわかる？」

駅がある方からここに来た私達。
見覚えのある場所に行けばなんとかなりそうだと思った私は少年に駅のある方の道を尋ねる。

「駅の方面ですか？それならこっちの道を行けば出れます。良かったら一緒に行きますよ？」

「え、いいの？じゃあお言葉に甘えて案内お願いしてもらおうかな…」

「はい、そしたらこっちです」

そう言って私は道案内をしてくれる少年の隣に並んで歩き始めた。

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