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「んで、抵抗されんかったらそのままヤっとったん？」
「んなわけないやん…俺は別に、Aの体が欲しかったんじゃない」
「そう聞いて安心したわ」
朝。今日も変わらずサンサンと照る太陽は、泣きはらした目にはだいぶキツイ
いつもより早く来て、片想い初期から知っているトントンに事情を話す
黙って聞いていた目の前の男は俺の返答を聞くと、大袈裟に鼻で息を吐いてこう言った
「アホやな、お前」
言葉とは裏腹に、その声はひどく優しい
労わるような、呆れたような、責めの温度は一切入っていない
「ろくに恋愛したことない俺が言うのもなんやけど、不器用すぎて草生えるわ。失恋したいんやったらちゃんとフってもらえよ。」
「俺もそう思ったけど、！」
「シャオロンに邪魔されたんやろ？んで心おれたとかメンタル弱すぎてワロス。」
「そ、やけど、」
「挙句、期待すんのが辛くて？他の男見る横で笑ってるのがしんどくて？嫌われにいくとか？くそ雑魚やんけ」
「と、トントン、俺一応一晩泣き明かして来てんねんけど、あの、」
トントンに言われることで改めて自分の恋のヘタクソさに傷つく
でも嘲るように話す口とは違って、目はひたすらに優しかった
「まあ、チーノにしては、頑張ったんちゃうか。
Aさんには絶対謝らなあかんけど」
お疲れ、と目を冷やすタオルを渡されると同時に背中を１回たたかれる
それが何よりの慰めに感じさせることのできるコイツは、マジでいいやつや
「どうすんの、これから」
「…諦めれたら、Aが許してくれたら、幼馴染として、また、アイツの隣におりたい」
「そんなん言うてる時点で諦めれてないやろ」
「だってぇ…６年やで？急には無理やて…」
「メソメソすんな気持ち悪い
ほら、来たで」
シャオさんと並んで歩く瞳は俺と同じように赤く腫れていて、昨夜のことを強く後悔した
俺が口を開くより早く、彼女の前に影が立ちはだかる
「チーノ、ちょっと顔貸せや」
「A怖がらして、満足かお前」
「…シャオさんには関係ないでしょ」
「関係あるわ。お前がそんなんやったら俺がA泊めなあかんねんぞ」
「…今日、Aに謝るんで。返してください。」
「ええけど、どんな顔してまたひとつ屋根の下で寝るつもりや？」
この人は、Aを遊びで弄んでいるのか、本心で惚れかけているのか
見極めかねた俺は、その問いに口を噤んだ
そして、その日の帰り
檸檬色に手を引かれて俺から離れていく背中が、落ちる涙に反射する
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桜花(プロフ) - 急にコメントすみません。最初から最後までドキドキしっぱなしで、最後めっちゃ感動しました、、！！控えめに言って最高すぎる作品です、、、出会えてよかったです。最高に素晴らしい作品に出会わせてくれて本当にありがとうございました！！ (2020年10月12日 2時) (
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作者名：レック | 作成日時：2020年8月6日 12時
