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「ほらいったれいったれ！武器庫に火でもつけたったらええねん！」
「シャオロン総監！我々も爆発に巻き込まれる恐れが…」
「あそこは火薬保管庫地下にあるんや。上の方火つけても大丈夫やって」
「りょ、了解しました！おい！火炎瓶を用意しろ！」
「んなめんどいことしてんと、あれ持ってこいや」
ずかずかと我が物顔で敵地を荒らしながら、地図にかかれたバツ印の建物へ向かう。
ここを潰せば東西の補給が切れる。そうなればもう戦える戦力は敵国になくなるだろう。
短いようで長いような、一か月弱の戦争。
年単位がザラであるのに、今回は電撃戦でも早すぎる終戦になるだろう。
でもショッピ君が墜落したと聞いた時は気が気じゃなかったし、ほぼ毎日報告の無線を飛ばしている彼女に最後に会ってから随分経ったように感じる。
「久々暴れたかったけど、なんや思ったより骨ないし。情報筒抜けじゃなんもできひんやつらやったな」
黒の重火器を部下から受け取る。太い円筒が備わったそれは、チーノ印の魔改造火炎放射器だ。
「陸軍総監直々にやったるやん。有難く思えや。」
力をこめて引き金を引けば、おおよそ通常では考えられないほどの熱風とオレンジの炎がほとばしる
おい、これ使用者安全とちゃうんかい。めっちゃ熱いやんけ！！
帰ったらとりあえず一発あの開発者をぶん殴ろうと決意する間にも、すさまじい勢いで物を溶かし燃やし尽くしていく。
気持ちええな。
民家に燃え移らないよう消火作業を周りに頼んで、一通り炙れば武器庫丸焼きの一丁あがりだ。
「雑魚乙！！！！」
清々しくむかつく笑顔で叫べば、うちの軍から勝鬨があがった。
頭上では藍色のラインが入った機体が悠々と空を泳ぎ、後方では軍旗がはためいている。
「あーもしもしA？おれおれ。俺やけど。」
「詐欺やったら相手してる暇ないねん」
「なんでロボロやねん、A出せや。」
「Aは今おらんわ。はよ今日の報告せえシャオロン」
「えー、折角最後の目標ポイント潰したって報告して褒めてもらおうと思ったのに。Aに。」
「シャオロンまでそんなこと言うんかい…」
「までってなんやねん。大先生か？」
「いや、ショッピ君」
脳裏によぎったのは、俺を煽るニヤついた顔
え？あいつそんなキャラやっけ？あ、でもAに対してはそうやったか？
ん？でも今前線出て無くない？
「ドユコト？」
はてなだらけの声を察したのか、誰かに聞いて欲しかったのか
ロボロは愚痴るように話し始めた
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作者名：レック | 作成日時：2020年1月7日 4時
