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部屋の空気は酸素を吸うのも億劫になるような重さ
その元凶であるこの部屋の主は、目の前の女の子をじっとり睨んでいる
滲み出る不機嫌オーラ
その対象となった彼女はいつも通りの無感情な瞳で見つめ返していた
前みたいな事がないように、はよから待機しとったけど、もう胃が痛い
｢…なぜ隠していた？｣
『言う必要を感じなかったので』
｢軍に所属することになった人間が、戦闘スキルを隠匿していいと思っているのか？｣
『私はハッカーとしてここに来ました。この国では情報官も戦争の前線に出されるのですか？』
｢名の知れた殺し屋が身内にいる、その情報がどれほど危険で、またどれほど力になるかわかっていないわけでもないだろう｣
双月剣の白狼、そっちの世界に詳しくない俺でも耳にしたことのある名前
殺し屋にしてはえらい小綺麗な名前やと思ったけど、月夜に舞う姿を見て納得した。
昨夜のゾムとの戦闘、目撃したのはロボロと大先生だけやない。
俺とオスマンとグルさんは仕事の話しとって、窓の外から聞こえてくる喧騒に気付いたし、
シャオロンとエミさんは見回りの兵から報告を受けて、ひとらんは動物たちが殺気に当てられて騒いだおかげで気付いてその戦いを目の当たりにした。
幹部の過半数が目撃し、今日の朝食の時は彼女に好奇の視線が注がれていて、そして今総統室に呼び出されている。
彼女が狼の姿を隠していたのに、幹部達の反応は以前よりむしろ好意的になっていた
得体の知れない女ハッカーより、人狼でも自分たちと同じ血を知る殺し屋の方が安心するのかもしれない。
もしくは、戦いの最中に見える美しさに魅入られたか。
『私は殺し屋ではありません。そんな仕事をしたこともするつもりもありません。』
｢あれほどの腕を持ちながら、人を殺したことがないと？｣
『…ハッキングの過程で、人が死んだことはあります』
｢お前が殺したんだろう？そこに仕込んだ双剣で｣
グルさんがAの袖を指すと、彼女はそこから片方の剣を手に滑り持たせ、撫でながら語り出した。
アスリートの母は、娘が幼い頃から様々なスポーツに挑戦させた。持ち前の好奇心と探究心で運動能力をメキメキと伸ばしたA、そこにマフィアの叔父が現れる。彼女が日常的に行っていた運動を、暗殺の訓練に変えるだけ。しかし暗殺の腕が上がっても、ハッキングに目覚めたAは戦闘に興味がなかった。
そこで命じたのだ。ハッキングの過程で、邪魔な者は直接殺せと。
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亀丸(プロフ) - この小説に惚れて貴方様の前作も見てきました…テンポがよく一晩で読み切ってしまうほど面白かったです。今作はハッカーの話ということでこれまたダークな感じが見え隠れしていてとても楽しいです。今後の活動も応援しております (2019年11月7日 23時) (
レス) id: 072776d0d0 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 性癖ドストライク (2019年11月7日 0時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
遊 - めっちゃすきです！！いやもうこの小説に出たいくらい！！！(何言ってんだこいつ)もう、いや、もう！ほんとすきです！これからも頑張ってください！！！！ (2019年11月6日 22時) (レス) id: 49b5a0c72b (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱には夢と希望が詰まってる。 - wrwrdさんの話を漁っていて面白そうだなーと思い見ました。そしたら、おぉーすげぇとなり。メンバーの紹介文で笑いました。面白くてすきです。最新頑張ってください。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 569861b1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年11月4日 18時
