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現地でハッキングしてデータを持ち帰れと言われたAは、勿論邪魔な持ち主を殺した。彼女にとっては“ゲームのための準備”に過ぎない。
Aが初めて人を殺めたのはわずか13の時、それは奇しくも、ゾムと同じだった。
黙って話を聞いていたグルさんが幾分機嫌がなおった声で問う
｢はじめは違ったかもしれない。しかしいいように殺し屋として使われている自覚はあっただろう？A｣
『…何が言いたいんです』
｢質問を変えよう。昨日のゾムとの賭けの内容を聞く限り、アイツに付き合う必要は無かったと思える。なぜ断らなかった？断れば、他の人間に知られることはなかったかも知れないのに｣
『……』
｢沈黙か、なら俺が代わりに答えよう。お前はうちのシステムをハッキングしている間、そして城に来てから、殺しに行く暇などなかったはずだ。｣
ここでグルさんは一呼吸置く
話しながら段々と上がる口角
この人は隠してた理由を聞きたかったんやない。ただ気に食わんかったんや、Aが自分の知らない面を持っていたことが。
そして今、彼女を痛ぶって優越感に浸っている
グルさんのAに対する独占欲と支配欲が垣間見えた
｢飢えていたんだろう？戦いに、血に、肉を抉る感触に！｣
『違う！！！』
ここへ来てから聞いた声の中で、1番大きかった
その声が自身の内側に向けられている気がするのは、気のせいか？
『私を、血に飢えたサイコパスなんかと一緒にしないでください』
Aの吐く息は少し荒い
取り乱した彼女の様子に満足したのか、グルさんはこちらを見る
｢トン氏、お前から聞きたいことは無いのか？｣
｢…アンタと違って、人を引っ掻き回して楽しむ趣味はないんで｣
｢酷い言われようだ。A、もう他に、俺に隠していることは無いな？｣
言い聞かせるような口調
薄く微笑む顔が腹立つし、彼の所有物リストに入ってしまったAに同情する
しかし、やられて終わる彼女ではなかった
どこか喜色が滲んだ声で、こう言い放つ
『ああ、1つありました。…総統のお菓子の隠し場所、机の下の小箱に変わったみたいです』
音がしそうな勢いでグルさんに向き直る
｢いや、違うんだトン氏、｣と言い訳を始めるグルさん
それを見た彼女は勝ち誇った笑みをフードの下に隠して、部屋を出ていった
俺は、あの子にもっと色んな楽しさを知って欲しい
そう思うのは、昨日あの美しさに魅入られたからだろうか。
なんにせよ、俺はあの空の器に“まともな”ものを注ぐだけ
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亀丸(プロフ) - この小説に惚れて貴方様の前作も見てきました…テンポがよく一晩で読み切ってしまうほど面白かったです。今作はハッカーの話ということでこれまたダークな感じが見え隠れしていてとても楽しいです。今後の活動も応援しております (2019年11月7日 23時) (
レス) id: 072776d0d0 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 性癖ドストライク (2019年11月7日 0時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
遊 - めっちゃすきです！！いやもうこの小説に出たいくらい！！！(何言ってんだこいつ)もう、いや、もう！ほんとすきです！これからも頑張ってください！！！！ (2019年11月6日 22時) (レス) id: 49b5a0c72b (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱には夢と希望が詰まってる。 - wrwrdさんの話を漁っていて面白そうだなーと思い見ました。そしたら、おぉーすげぇとなり。メンバーの紹介文で笑いました。面白くてすきです。最新頑張ってください。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 569861b1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年11月4日 18時
