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｢あれ？Aは？｣
｢あー…、なんかそんな気はしたわ｣
食堂にやって来たロボロ、その隣にAの姿がないことをゾムが問うと、ロボロはやれやれと肩を竦めた
｢先行く言うて俺より前に出てんけど、来てないんやな…｣
｢何かあったんちゃうか！？｣
｢いやコネさん、心配する必要ないと思うで。Aは発作やろ｣
｢チーノなんか知っとんの？｣
｢ハッキングでしょ？ロボロさん｣
｢多分なぁ…。俺やり過ごしてセキュリティルーム戻ったんやろなぁ…｣
つまり、お楽しみがあるのに飯なんか食ってられるかと。こないだゾムと約束したばっかりやのになぁ
約束を破られた張本人はムッとして立ち上がる
｢俺連れてくるわ｣
グルさんとはまた別で、ゾムもAにご執心なんは見ればわかった。よりによって独占欲強い2人にな…同情するわ
俺もまた、ゾムに続いて廊下に向かう
｢なぜトン氏まで行くんだ｣
｢一応Aの部屋も見てくるわ。万が一何かあってもあかんし｣
と言いつつ、予想はついている。グルッペンに何かされてもただでは起きない彼女は、結構頭がいい。
｢Aー。おるかー｣
部屋の扉をノックしても反応はない
女の部屋に無許可で入るんはなぁ…と迷っていると控えめに扉が開いた
『意外です。もう少し遅いと思ったのに』
｢ゾムがセキュリティルームまで行ってこの部屋に来るタイミングでまた隠れようとしとったんやろ？｣
なんとしてもゲームを続けたい彼女の作戦を言い当てると、フードの下の瞳が驚きでまん丸になった
『…書記長も、侮れませんね』
｢わりと失礼なこと言っとる自覚ある？｣
無自覚であろう言葉を咎める気はない
そういう“普通”を教えるのも自分の役目やと思うから
｢ほら、行くで｣と促せば素直についてくる
廊下の窓から欠けた月が見えて、思ったことが口から零れた
｢なぁ、もう“白狼”のことは知っとるんやからさ、フード脱いでもええんちゃうん？｣
その瞬間、Aの足が止まる
元々薄いその呼吸が、完全に止まった気がした
『私は、血に飢えた獣ではありません』
その正体を現した翌日、総統室で取り乱しながら発したのと同じような言葉
その真意がわからず、俺は首を傾げた
『書記長も、気を付けた方がいいですよ。月には不思議な力があるらしいので』
そしてまた歩き出すA
その表情は、より深く被られたフードに遮られて見えなかった
闇夜に踊る彼女の姿をまた見たいと思うのも、あの日の月の力のせいだろうか
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亀丸(プロフ) - この小説に惚れて貴方様の前作も見てきました…テンポがよく一晩で読み切ってしまうほど面白かったです。今作はハッカーの話ということでこれまたダークな感じが見え隠れしていてとても楽しいです。今後の活動も応援しております (2019年11月7日 23時) (
レス) id: 072776d0d0 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 性癖ドストライク (2019年11月7日 0時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
遊 - めっちゃすきです！！いやもうこの小説に出たいくらい！！！(何言ってんだこいつ)もう、いや、もう！ほんとすきです！これからも頑張ってください！！！！ (2019年11月6日 22時) (レス) id: 49b5a0c72b (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱には夢と希望が詰まってる。 - wrwrdさんの話を漁っていて面白そうだなーと思い見ました。そしたら、おぉーすげぇとなり。メンバーの紹介文で笑いました。面白くてすきです。最新頑張ってください。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 569861b1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年11月4日 18時
