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朝、ロボロはあくびを噛み殺しながら部屋の扉を開けた
職場でありながら自室とも言えそうなほど馴染みのあるその部屋は、大小様々なモニターとそれを支える巨大な筐体で成り立っている
｢ん？｣
いつもの椅子に座り、違和感を感じた
｢ん〜？気のせいか…？｣
慣れた手つきで画面を開く
映し出されたフォルダ達は、荒らされた様子もなく整然と並んでいた
｢これはコピーしたら消えるはずやし、このファイルも無事、っと｣
1つ1つ確認しても、不審な点は見当たらない
普通ならここで杞憂だったか、と安堵するところであるが、国の情報を預かる者として、優秀な情報員として、彼は徹底的な捜査を行った
セキュリティシステムのログを見に行ったのである
｢…っ！やられた！｣
すぐにプリンターを起動した彼は、1枚の紙を持って上司の元へと走った
｢ハッキングか。｣
｢ほんますまん…｣
｢いや、仕方ない。相手が上手だったということだ。お前よりその分野に秀でた者がいるとは驚きだが｣
総統室にはこの国のトップとその右腕、そして申し訳なさそうに佇むロボロがいた
｢何の情報盗られたん？｣
｢それがな、わからんねん…｣
｢わからん？｣
｢何の痕跡も残ってなかった。データも全部揃っとるし、いじられたとこもない｣
｢…それでなぜ、ハッキングされたと？｣
｢これや｣
机の上に置かれた1枚の紙
わけのわからない命令式だらけのそれに眉をしかめた2人だったが、ロボロがその1行を指すと目付きが変わる
『この高度なセキュリティシステムを組み上げ、侵入に気付いた君に、尊敬と賞賛を』
式の中に紛れた、機械にとってはなんの意味も持たない文章
それは明らかに人間に向けられたメッセージ
｢これは簡単に操作出来るものなのか？｣
｢やとしたらこの国は今頃ボロボロやな｣
｢だがロボロとコイツならできるんだな？｣
｢グルさん？なんかいらんこと考えてへんか？｣
｢トン氏、戦争は新しい時代を迎える。そうは思わないか？｣
言い切ったグルッペンは清々しい笑顔で、それを見た書記長は苦々しい表情だった
｢そういやロボロ、何も異常ないのにログなんか見に行ったん？｣
｢部屋の温度がな、ちょっと高かったんよ｣
｢温度？｣
｢俺の寝とる間にシステムが高稼働状態なって発熱するって、ハッキングぐらいしかないやろ？｣
何でもないことのように言ってのける男に、こいつも充分ヤバい領域におるんよな…と苦笑いを浮かべながらトントンは廊下を歩いた
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亀丸(プロフ) - この小説に惚れて貴方様の前作も見てきました…テンポがよく一晩で読み切ってしまうほど面白かったです。今作はハッカーの話ということでこれまたダークな感じが見え隠れしていてとても楽しいです。今後の活動も応援しております (2019年11月7日 23時) (
レス) id: 072776d0d0 (このIDを非表示/違反報告)
カオル - 性癖ドストライク (2019年11月7日 0時) (レス) id: 251e5ea021 (このIDを非表示/違反報告)
遊 - めっちゃすきです！！いやもうこの小説に出たいくらい！！！(何言ってんだこいつ)もう、いや、もう！ほんとすきです！これからも頑張ってください！！！！ (2019年11月6日 22時) (レス) id: 49b5a0c72b (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱には夢と希望が詰まってる。 - wrwrdさんの話を漁っていて面白そうだなーと思い見ました。そしたら、おぉーすげぇとなり。メンバーの紹介文で笑いました。面白くてすきです。最新頑張ってください。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 569861b1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年11月4日 18時
