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｢シャオロン、部隊の配置はどうなってる｣
｢えーっと、足の遅い歩兵と工兵はもう着いとるで｣
｢トントン、アレーネ方面は｣
｢とりあえず一蹴されんような兵力はおいとる。主力ラドバンに向けて、終わり次第直接向かう形になる｣
｢アレーネの周りはうちの友好国が多いめう。相手も下手には動けへん｣
｢守備は｣
｢俺の部隊の半分は残すけど、全員出るならちょっと不安かな｣
｢ショッピが残るわ。それならええやろ｣
｢ショッピ、いいんだな？｣
｢…はい｣
｢ゾム、ラドバンの捕虜はまだ生きているか？｣
｢おん、2人は。…でも、壊したで？｣
｢動けるのか？｣
｢歩けはすると思うわ」
｢歩けるなら問題ない。宣戦布告通知を持ち帰ってもらうとしよう｣
｢グルさん、これ作戦案｣
｢…いくつか訂正するが、大筋はこれでいく｣
俺の渡した作戦書に目を通し、瞬時に書き換えていく。本当にこの人は、戦争の鬼だ。戦争に関して、頭の回転の速さと手数の多さが尋常ではない
捕虜の2人が連れてこられた。Aちゃんが俺たちのもとを去ろうとした時に捕らえた生き残り。その目にもう光は宿っておらず、数々の拷問の痕が見える
｢うちの兵が母国近くまで送って行ってやる。しっかり帰還してくれ｣
要するに宣戦布告の使者になる
そのことをわかっていないのか、はたまた興味が無いのか、死んだ目で頷き2人は連れていかれた
｢さあ、舞台は整った。諸君、戦争の時間だ。｣
机に両手をつき立ち上がった我らが総統
その瞳はギラギラと、何もかもを焼き尽くす業火のように燃えていた
戦場に出るん、久しぶりやなぁ
まだ国が小さくて戦争続きやった頃、俺たちは毎日血まみれで、将来の国のことを考えて笑いあっていた。
平和になって、少しつまらなくなった日常の中で、新しい笑顔をくれたAちゃん。俺たちの中で平和の象徴となりつつあった彼女の為に戦うことになるのは、なんとも皮肉な世界だと思う。
いつもなら彼女が甘い匂いと共にカートを押してくる時間、俺は無言で戦地へ向かっている
喋りたくないわけやない。ただ、あの甘い笑顔がまた見れるかわからない寂しさがこみ上げて、言葉を探していた
｢Aが目覚める前に、終わらせるぞ｣
ふいに、俺の隣でグルさんが言った
特に大きな声で言ったわけでもないのに、その言葉は全員に届いた
目が覚めるかわからない。いつ戦争が終わるかわからない。
しかし、願いと呼ぶには確信的すぎるその意志は、どんな運命よりも強かった
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まち(プロフ) - 初めまして、1話したのかと目から読ませていただき、完結までお疲れ様でした。とても素敵な作品に出逢えたこと、心から嬉しく思います。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年7月30日 3時) (
レス) id: 9b1209b0b8 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - こんにちは！あまりの面白さに思わず一気読みしてしまうほどでした!!!!!!!こんなに幸せで素敵なお話を読めてとても嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年3月11日 14時) (レス) id: c0349a147b (このIDを非表示/違反報告)
カラ - とても面白かったです。久しぶりに夢中になって読みました。素敵な作品をありがとうございます！ (2020年2月5日 20時) (レス) id: 4407d2bed4 (このIDを非表示/違反報告)
1 - あれ？HappyENDって、こんなに泣けるもんだったっけ？ って、半泣きで最後まで読ませて頂きました。とても良い作品でした。 (2020年1月11日 17時) (レス) id: 3bc86cc6f5 (このIDを非表示/違反報告)
レック(プロフ) - すみれいんさん» 度々感想の方お聞かせ頂きありがとうございます！何度も楽しんでいただけているようで本当に嬉しいです。先の展開を知らないと気付かない伏線もたくさんはっておりますので、是非また、新しい笑顔をお見せいただけたらなぁと思います。 (2020年1月9日 9時) (レス) id: a402dc079e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年9月13日 0時
