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｢……あっ！！｣
思わず大きな声をあげた俺に視線が集まる。
｢どうした、シャオロン｣
｢あ、いや、前にAちゃんが言っとった好きな本のタイトルやねん｣
｢本のタイトル？｣
｢うん、どんな話か聞いたはずやねんけどそれは思い出せんくて…｣
｢なんてタイトルなんだ？｣
｢“コーヒーとマカロンのフェレェータ”｣
その言葉を聞いた瞬間、グルッペンの顔が凍りついた
しかし他のみんなはよくわかっていないようで、本に詳しいエミさんも微妙な顔をしている
｢グルッペン、どうしたん？｣
｢私も内容はあまり詳しく覚えていませんが、少なくともグルッペンさんが読むような軍政系ではなかったと思いますよ？｣
その問いかけにも反応せずひたすら何かを考えるように何も無いところを睨み続けるグルッペン
｢ま、まあ、とりあえず折角のお茶が冷めへんうちに食べへん？｣
｢ダメだ！！｣
珍しく焦ったようなグルッペンの声
状況の異常さから、俺たちには似合わない沈黙が訪れた
｢その、菓子に、手をつけるな。珈琲にも｣
考えを確かめるように言葉を紡ぐグルッペン
その眉間には深いシワがよっていて
｢恐らく、薬か何かが入っている｣
｢は？なに、グルちゃん、Aちゃんを疑っとんの？｣
いつもの数倍低い声の大先生よりもさらに低い声で、総統は告げた
｢“フェレェータ”とは、“裏切り者”という意味だ｣
またも、痛いほどの沈黙が訪れる
どういうことや？Aちゃんが裏切り者？
｢Aは恐らく、何者かに監視されている。どうやってかは知らんが、俺たちに薬を盛るように指示されたんだろう。逆らえば、｣
｢失礼します！！！！｣
この国のトップの言葉を遮って入ってきたのは額に玉のような汗を浮かべた兵士だった。普通ならこのまま極刑だが、尋常ではない慌てように誰も咎める言葉はかけない
｢どうしたの｣
ひとらんの隊なんだろう、隊長が声をかけると、唾を飲み込んだ彼は大きな声で報告した
｢城の南より奇襲をかけられております！数およそ100！｣
｢やはりか｣
驚きもせず呟いたのは自分だけ何かを察しているグルッペンだ
そしてこちらは何も察していないだろうが、冷静に指示を出す軍隊長
｢西と東の城壁から半分ずつ人数割いて鎮圧して。何人か生かしといてね｣
｢はっ！！それと、もう1点…｣
今度は歯切れ悪く言う兵士にひとらんが問う
｢A様が、北の裏門から外出されました｣
その一言で、部屋の全員が立ち上がった
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フェルト - 伏線回収が神！うらつくで稀に見るほんとうの鬼才のお方ですね！最高です！ (2019年9月14日 10時) (
レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 伏線回収が…！ありがとうございます、わかりやすいです…これからも更新楽しみに待っております！ (2019年9月6日 19時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの子(プロフ) - 前作からの伏線がどんどん回収されてくのドキドキします…これからも更新楽しみにしております。 (2019年8月31日 7時) (レス) id: 54ffec1f7f (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 嫉妬する総統さまが…!!!最高です……!!!!!!ありがとうございます…!!!!!!!!!!!! (2019年8月27日 15時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
琉兎(プロフ) - 主ちゃん可愛すぎっ！惚れてまう！！続きが気になるんじゃぁ！！！更新頑張って下さい、楽しみにしてます！！ (2019年8月24日 17時) (レス) id: 3584f7d8aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年8月18日 3時
