足りない言葉は風にきけ１【リヴァイ】 (ページ9)

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……SIDE IS リヴァイ……

そう言ってイザークはこちらに手を差し出した。

オレは自然なタイミングでその手をとった。

握手を交わすなど、もう何年もしていなかったが、万一ここからAを連れ出すことになった場合を考え、友好的にしておくのが賢明だと思った。

リ「礼などは必要ない･･･その代わり、彼女の仕事を見たいんだが」

イ「変わった人だな。見るだけならいくらでもしていってくれよ。ただし、驚くなよ」

イザークは意味ありげな笑みを残し、馬小屋の奥へ入っていった。

「仕事を見たいってどういうこと？」

リ「大した意味じゃない。オレも馬が好きなだけだ」

「へぇ･･･そうなんだ」

言いながら、Aはオレにしばらく視線を残してから馬の並ぶほうへと歩いていった。

そして1本の柱の横で立ち止まると、Aは、その柱をあっという間に登ってしまった。

リ「！！」

そのすばやさとムダのない動きに驚く。

見上げてAの周りを見ると、小屋の中には梁(はり)がいくつも交差し、例えばそこをくまなく歩けばこの小屋全体を把握できそうなほど、端から端まで梁が基盤の目のようになっていた。

気になるのは、その梁からぶら下がっているロープの数だ。

何百頭といる馬の数ほどはないが、それでも何十本にはなるだろう。

「みんな！遅くなってごめん！これから周るね！」

Aは小屋全体に響く大きな声でそう言い放ち、柱のそばの梁の上からダイブした。

リ「おぃ･･･！」

声を出した一瞬あとに、オレはすべてを理解した。

Aは、梁からぶら下がった何本ものロープを伝い、かなりのスピードで小屋の中を移動していた。

そして移動しながら馬を1頭1頭、確認し、観察している･･･！

「･･････」

しばらくその光景を眺めていると、ふと何かが胸をかすめた。

この動きをオレはどこかで見ている。

なんだ･･･

思い出せ･･･

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