足りない言葉は風にきけ１【リヴァイ】 (ページ5)

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ほんとロクな男がいないな。

昔に比べたらまだ平和なほうみたいだけど、調査兵団に人手を持ってかれちゃあ、こうなっちゃうのも仕方ないか。

優秀な男たちは壁外へ行く。

そしてそのほとんどが壁外では巨人の前で無力になり、命を落とす。

でもまぁ、さっきの子たちが何もされなくて良かった。

さぁ、あたしも持ち場へ戻らないと叱られちゃうな。

休憩時間、とっくに過ぎてる。

あたしは、町のはずれにある馬小屋へ向かった。

小屋といっても、ここら辺では一番大きな馬屋だ。

そこで馬を育てて、優秀な馬に調教するのがあたしの仕事。

そしてその馬が行く先は、調査兵団。

優秀な馬を兵団へ送り出し、兵団からその報酬とともに資金援助をもらってる。

この町を代表する産業の1つだ。

あたしは足早に馬小屋に向かって歩いた。

そしていつもの近道を通ろうと、細い路地にさしかかる。

男1「ぅらあーッ！」

･･･!!!!

路地の隙間から1人の男が飛び出してきた。

さっきの奴ッ！

引き上げたフリして待ち伏せしてた！？

男の手に握られたものを素早く確認して、身をかわす。

ナイフ･･･！刃渡り20cmというところか。

すべてが体に刺さらなくても、心臓を突かれたら充分、致死になる深さまで届くサイズだ。

脅しじゃない！

殺意のある襲撃だ。

細い道の両脇に並んで建つ家屋は、周りから死角を作っているが、戦闘にはもってこいだ。

家屋の壁を蹴って宙返り、男の真上からナイフを持った手をキックする。

ガッ！ｶｼｬｰﾝ･･･

男1「ぅあっ･･･くそッ」

あたしは落ちたナイフの上に、着地する。

男が驚いた表情であたしを見る。

男1「お前･･･何者だ」

あたしの動きを見た者は、決まってそれを聞く。

でも、聞いたって仕方のないことだ。

「それは答えるだけムダ」

男1「ナメやがって･･･」

男は悔しそうに顔をゆがませ、ヒューと指笛を吹いた。

その時、路地に並ぶ2階建ての家のベランダから、もう一人の男が馬とともにダイブしてきた。

「なッ･･･！！」

馬と･･･ッ!?

近距離すぎてかわしきれない！

ダメだッ･･･

馬が相手じゃ･･･

そう思った時にはもう遅かった。

ガ･･･ッ。

頭へ何かが衝突する音･･･

あたしの記憶はそこで一度途絶えた。

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