足りない言葉は風にきけ１【リヴァイ】 (ページ33)

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……SIDE IS リヴァイ……

「････････リヴァイ、････リヴァイ」

Aのオレを呼ぶ声で目が覚めた。

斜めになっていた体を立て直す。

まばたきをしてよく見ると、Aとフォルカーがダイニングへ戻っていた。

リ「･･････雨は･･･？やんだか」

「んーん、まだ･･･」

リ「チッ･･･」

まだ降ってんのか･･･

仕方ねぇな･･･もうしばらく待つしかねぇ。

ふと、Aの服装が変わっているのに気づいた。

リ「お前、その服は」

「あ、フォルカーさんの娘さんのを借りちゃった。ぬれた服のままだと寒くて」

リ「･･････」

なんでお前だけちょっとスッキリしてんだよ･･･

オレもこの湿った服をなんとかしてぇのによ･･･

「･･･なに？」

リ「･･･いや･･･」

うらやましさが先立ってAをにらんでいたが、さっきまでと違う印象にも目を奪われていた。

ベージュ色のワンピース姿になったAは、さっきとは雰囲気が違う。

あの馬小屋で見たような活発さが消えうせ、素朴さに満ちている･･･

馬子にも衣装ってやつか。

女は化けモンだな。

フ「まぁ、人間が急いだところで、空は変わらん･･･気持ちを落ち着けて、昼食をゆっくり摂っていくといい」

「そうですね」

リ「おい」

なに即答してやがる。

判断するのはオレだ。

目でAに圧をかける。

フ「リヴァイさん、2階に家族の使っていた部屋がある。そこで少し休憩していってはどうかな」

オレはもう一度窓のほうへ目を向け、降り続ける雨をうらめしく感じながら答えた。

リ「･･･ではそうしよう」

「ありがとうございます、フォルカーさん」

オレの言葉にかぶせ気味のAをにらみ、荷物を持って席を立った。

*