足りない言葉は風にきけ１【リヴァイ】 (ページ28)

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……SIDE IS リヴァイ……

コンコンコン

「すみませぇん」

Aが家の扉をたたく。

木造の立派な2階建てだ。

家族が住んでいてもおかしくない敷地の広さだが･･･

町からまあまあな距離がある。

食料の調達には、ここからじゃちょっと遠い気もする。

なぜこんなところに一軒家が･･･

ガタンと鍵のはずれる音がし、扉が開いた。

家主「どなたですかな」

狭く開いた扉の隙間から、老人と思われる人間の目がこちらを覗いた。

「････あの、馬で移動中に大雨に降られてしまって･･･。少し、雨宿りさせて頂けませんか」

老人は、オレたちを交互に何度も見てから、扉を大きく開いた。

家主「どうぞ･･･」

「助かります･･･！ありがとうございます」

Aは深々と老人に頭を下げてから扉の中へ入り、

「リヴァイ」

と中から手招きした。

中に入ると、必要最小限といっていい家具がシンプルに置かれた、小ぎれいな部屋だった。

家主「コーヒーを飲もうとしておったところでな。ちょうど湯が沸いた、一緒に用意するでな、適当にイスにかけて休んでるといい」

A「手伝います」

言い終わらぬうちに、Aはキッチンへ入っていった。

木のテーブルを囲んで6つのイスがある。

家族の分だろうが、家の中はしんとしている。

荷物を降ろし、イスに腰かける。

「リヴァイ。コーヒーと紅茶、どっち？」

キッチンのドアを開けたAが顔を出す。

リ「紅茶にしてくれ」

「了解」

オレはテーブルについたまま、家の中を見回す。

窓の下に置かれた本棚に、写真立てが置かれているのが目に入った。

遠目にも、それが家族写真であることがわかる。

やはり、この老人には家族がいる。

いや･･･もしくは、いた･･･、になるのかもしれない。

2階に誰かがいる気配も･･･感じない。

「なんか、イメージと合わないな。リヴァイは紅茶派なんだ」

木のトレイにカップを2つ乗せたAが、キッチンから戻ってきた。

*