足りない言葉は風にきけ１【リヴァイ】 (ページ23)

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イ「さ、2人とも落ち着いたか？メシにしようぜ」

「あ･･･ゲレオンさん、待ってるよね」

ユ「いっぱい泣いたら、お腹すいちゃった･･･」

ユッタは葛藤に苦しみながら、まだ少女の面影を残す心をフルに開いて、あたしのワガママを許してくれた。

泣きながら『応援するから』と言ってくれた。

こんなに愛しい2人に、あたしは今は返せるものが何もない。

いつか、必ず恩返ししよう････

3人で食堂のほうへ向かいながら、胸の中でそう考えていた。

「ゲレオンさんには、夜、落ち着いて話すよ」

イ「あぁ。ユッタ、メシ食ったら自分の部屋へ戻れよ」

ユ「ん、わかった･･･」

イザークが気を利かせて、ゲレオンさんとあたしを2人にする段取りを組んでくれる。

食堂に着くと、ゲレオンさんが座って本を読んでいた。

ユ「ゲレオンさん、ごめんなさい。遅くなっちゃった」

ゲ「おぉ･･･何だ3人で遊んでたのか？」

小さな子どもたちに言うように、ゲレオンさんは目を細めた。

ユ「うん、ちょっとね！」

それぞれが食卓の席に着き、最後の歓談に向き合った。

食事を終えるとイザークは事務室へ戻り、ユッタはイザークに言われたように自室へ戻っていった。

食卓に残ったゲレオンさんは、淹れなおした熱いお茶をゆっくりとすすっている。

その横で、あたしは食器を洗いながら話の切り出し方を考えていた。

ずずず････

カチャカチャザァー

ずず･･

食堂にはあたしが食器を洗う音と、ゲレオンさんがお茶をすする音だけがある。

洗い物を終え、タオルで手を拭きながらテーブルにつく。

あたしは意を決して、声を出した。

「ゲレオンさん」

ゲ「んん？」

美味しそうにお茶を口に含んで、ゲレオンさんはいつもの穏やかな返事を返す。

「ちょっと･･･大事な話があるの」

ゲ「おぉ。聞いとる聞いとる。大丈夫だ」

「････えっ？」

意味をうまく理解できず、目を丸くする。

ゲレオンさん、知ってる･･･？

*