足りない言葉は風にきけ１【リヴァイ】 (ページ16)

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「無条件で･･･？」

リ「入団を希望するなら悪くない話だろう。お前にはその意思がないようだが･･･」

「待って」

思わず、そう言っていた。

無条件で戻れるなら、チャンスはある。

リヴァイの言葉に、嘘はなさそうだった。

善し悪しは別として、この人は、自分の立場を誇示したいために陳腐な嘘をつくような、その辺のつまらない男たちとは違う。

あたしの観察眼が、そう確信していた。

リ「気が変わったか」

「そうね･･･思い出したの。3年前に手放した自分の使命を」

リ「ほぅ。なら、なぜ退団した」

そうか･･･

それを話さねば、リヴァイも本当にあたしを連れていけるか判断しかねる、ということか。

なにせ、この件を取り扱う責任はすべてリヴァイにある。

ヘタに問題のある人物を連れて帰ることは許されないのだろう。

リヴァイの目を見る。

そのしなやかな前髪の下の目は、どこまでも深く何かを見据え、動じない信念を語りかけてくるようだった。

退団させられた本当の理由を言えば、この話はなかったことにする、と即座に切り捨てるだろう。

そのあたりに迷いを感じるタイプじゃない。でなきゃ、兵士長にはなれない。

あたしは渋々、答えた。できるだけ、虚構を交えずに･･･

「壁外の戦闘で負傷して、しばらく治療のために戦線を離脱したの。戦えないのに兵団内にいるのが苦痛で苦痛で･･･精神的に参っちゃって。それで退団した。でも、もう完治してる」

リ「後遺症などはないのか」

「まったく。さっき見たでしょ？」

リ「確かにさっきの動きには、何の問題もない」

「これで、あなたのお眼鏡にかなったことになる？」

リ「入団することに問題はないが･･･そのあと鍛えなおす必要がある。ケガをしない強い身体と、クソつまらねぇプライドに屈しないメンタルを持つためにな」

「････････！」

何か言い返したい衝動に一瞬かられた。

でも、リヴァイの言った「強い身体とメンタル」は、何より自分が欲していたものだった。

悔しいけど、言い返せない。

リ「心配するな、躾は得意だ」

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