４０ ページ40
*
……SIDE IS リヴァイ……
湖のほとりに建てられた十字架までたどり着くと、ロヴィルがハンジの手を離れ、Aに花束を渡した。
ロ「ん！」
ぶっきらぼうな渡し方に、まだオレへの対抗心が残っていることを察する。
「ロヴィル。ありがとう」
Aはロヴィルの目線と同じ高さまで膝を折り、花束を受け取って笑顔を見せた。
そしてロヴィルと手をつなぎ、オレの隣へと戻る。
ハ「うぉほん。えー、では。私なんかが神父の代わりで申し訳ないと、前置きをさせて頂き･･･」
ハンジが十字架の前に立ち、オレ達と向き合う格好になる。
ハ「只今より、婚礼の儀を
参列者にもよく聞こえるよう、ハンジは声を大きくした。
リ「チッ･･･さっさとしろクソメガネ」
必要以上にゆっくりと進めるハンジにイラつく。
だいたい、こんな格好で全兵団員の注目を浴びながら誓いを立てるなどオレには理解しがたい。
ただ、
『お姉ちゃんとエルヴィンの式にもしたいの、お願い』
Aのその言葉に、オレは反論できなかった。
それにしても、遅すぎんだろクソメガネ･･･
ハンジのまどろっこしいセリフ回しに、オレは眉間に力を入れて圧を送った。
その時ふと、聖書を読み上げるハンジの後ろに建つ十字架から、見覚えのある色の光が見えた。
リ「･･･！」
エルヴィンの、ループタイ･･･
それは十字架の形のちょうどクロスする位置にかけられ、ハンジの頭上うしろでキラキラとした緑を見せていた。
時折吹く風に、タイの
あの時、ハンジは人知れずあれを持ち帰っていたのか･･･
あの時･･･オレの手元にあった注射の使い道を決めた、あの時･･････
ハ「･･･ますか？･････リヴァイ」
苦しい記憶が蘇りそうになった時、ハンジのオレを呼ぶ声にハッとした。
十字架からハンジに視線を戻し、Aへとその意識を戻した。
ハ「･･･誓うね？」
ここで言う決まり文句が出ないオレにハンジが小声で助け舟を出す。
Aの目が、オレをまっすぐに見ている。
リ「あぁ、誓う」
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ico(プロフ) - ああさん» 私も同じく、完結できた瞬間言葉にならない幸福感でいっぱいでした♡それぞれのキャラの言葉が響き届いたのは、原作キャラの素晴らしさゆえかと思いますが、やはり素直に嬉しいです。身に余るお褒めの言葉に、また書きたくなりました！(長文大歓迎) (10月10日 11時) (
レス) id: d2213b78f9 (このIDを非表示/違反報告)
ico(プロフ) - ああさん» とても長いお話なのに、ずっと応援して下さってここまで読了して頂き…素敵なコメントまで、本当に嬉しいです！前作「お前が女で〜」に留まらずこちらでも感動して下さったとの事、お伝え頂き心から深謝です。 (10月10日 11時) (レス) id: d2213b78f9 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 完結してハッピーエンドで終われて私は言葉で表せられないくらいに嬉しいです。 キャラクター一人一人の励ましの言葉や自分に呼びかけてくれている言葉に感動しました。 神作を私達に提供してくださりありがとうございました。（長文失礼しました） (10月5日 22時) (レス) id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - まずは完結おめでとうございます！ この小説をずっと応援し続けていました 期待を超えるような文才と表現力に圧倒されしまいには感動して涙が止まりませんでした。 私はこの作品に出会えて良かったと思いました。 もうこの作品の続編が見れなくなるのは寂しいですが (10月5日 22時) (レス) @page50 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
ico(プロフ) - きなこさん» きなこさん！！コメントありがとうございます！！なんて嬉しいお言葉を下さるんでしょう…感涙モノです！！ややこしくて読みづらい部分もおありでしたでしょうに、最後まで愛読して頂き、今後のエールまで…深謝です！！！ (2020年11月1日 22時) (レス) id: d2213b78f9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ico | 作成日時：2018年9月20日 16時
