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「リヴァイ！」
リ「･･･なんだ。そろそろ門前に集合の時間だろうが。早く向かえ」
あたしは出発準備でごった返す宿舎の中で、リヴァイを探していた。
そして、馬小屋でやっと彼を見つけた。
リヴァイはこれから戦場へと一緒に向かう愛馬の様子をチェックしていた。
「あたしも、もう向かう。でもその前に、渡しておきたい物があるの」
リ「なんだ」
紙を握った手をリヴァイへ伸ばすと、リヴァイは手を止めて横目であたしを見ながらそれを受け取った。
エルヴィンの部屋を出てから、あたしは自分の荷物の中からなるべくきれいな紙を出して、そこへ文字を走らせた。
あの証明書は、咄嗟に思いついてエルヴィンに渡したものだったけど、あたしはこれを書いて彼に渡したい、と思った。
もし、あたしに何かあっても、あたしが本当にここにいたってことを、忘れないで居て欲しい人･･･
リ「なんだこれは。縁起でもねぇ」
紙切れの中を読んだリヴァイが眉を寄せた。
「あたしの実在証明書」
リ「バカか。何やってる。ほかにやるべきことがあるだろうが」
「･･っ、ちょっ･･･」
リヴァイは紙をあたしへ付き返して、愛馬のチェックを続ける。
「これも、『やるべきこと』なの」
リ「あぁ？こんな紙切れで伝えなくてもオレはお前から毎日聞いている」
「違うの。これはそれとは違うの」
リヴァイは一瞬考える間を置いて、あたしを見つめた。
リ「わかった。聞いてやるからさっさと説明しろ」
短いため息とともに、観念した様子で手を止め、リヴァイが体ごとあたしに向き合う。
「もしあたしが戻れなくて･･･何年かして、リヴァイの中のあたしが消えないように書いた」
リ「なぜそんなことを考える」
「あんなにお姉ちゃんを愛してたエルヴィンでさえ、お姉ちゃんのいなくなった世界で生きてく内に、あれは夢だったのかもしれないって、思っちゃう･･･だから･･･」
リ「エルヴィンがそう言ったのか」
あたしはそう聞かれてハッとした。
彼が誰にも言えないでいた弱音を、簡単に誰かに言っちゃダメだ･･･
肯定も否定もしないまま、あたしは続けた。
「あたしは、ここにいて、リヴァイのことを心から愛してたって事を残したい。リヴァイにバカって言われることも縁起でもないって思われることもわかってたけど･･･死んでからじゃ、何もできない。死んでしまったら、愛してるって言えない････」
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ico(プロフ) - カレンさん» 嬉しいご感想ありがとうございます！励みを頂き力が湧きます！頑張ります！ (2018年6月20日 15時) (
レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - とっても面白いです！これからも頑張って下さい！ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 5dabf5f2d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ico | 作成日時：2018年6月9日 14時
