Lv.8 目をそらすな ページ8
−リヴァイside−
Aの背中に、また触れる。
この傷は、おれを助けようとしたおまえに刻まれ、そしておれが毒からおまえを助けた傷だ。
おれが責任をもってこの傷をずっと愛してやる。
誰かがこの傷を罵倒しても、おれが堂々とこの傷を賞賛してやる。
A「兵長・・・う・・」
リヴァイ「どうした」
A「力を・・・加減して下さい」
リヴァイ「悪い。考えごとをしていた」
A「え・・。まさか、今日の仕返し・・ですか？」
リヴァイ「・・そうだ。おまえ、あの時 何を考えていた」
A「・・・」
Aは、いつもちゃんと言葉を選ぶ。それに必要とする沈黙すら、Aの言葉のように思える。
不思議な女だ。
A「兵長が・・まだ私を知らなかった頃のことを、思い出してました」
リヴァイ「チッ。バカかおまえは。そんな事を考えてるスキにやられちまうだろうが」
A「すみません・・・でも幸福になるんです」
リヴァイ「あぁ？」
A「あの頃を思い出すと、今の私の状況が幸せだと感じるんです。あんな、命のやりとりの最中でさえ・・・・。あと・・この傷も・・」
A・・・
薬を塗って、Aの背中の傷たちを、そっとなでる。
おまえを美しくさせるこの傷は、おまえの幸せに繋がっているというのか。
チッ、余計なことを考えやがる。
A「ふ・・・ふ・・兵長・・、くすぐったいです」
おれがなでた指に体をくねらせて笑うAの無邪気さに、おれはふいをつかれた。
リヴァイ「A。おれから目をそらすな。傷に喜んでるヒマがあったら、おれをちゃんと見てろ」
A「兵長・・・」
A「兵長にも、傷・・・たくさんありますか・・」
潤んだ目でそう聞くAが、妙にかわいく見えて少し困らせてみたくなった。
リヴァイ「なんだ、見たいのか。・・・いいだろう、見せてやる」
おれは、自分の中に閉じ込めたヤツが暴れだすのを横目で見ていた。
大丈夫だ。
ヤツは檻の中にいる。
カギがしっかりとかけられているのを確かめ、おれは上着を脱いだ。
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ico(プロフ) - ああさん» コメントありがとうございます。おっしゃる通りです。ハンジさんの言葉によって、自分の進む先を見出したんですよね。オトナの切ない恋愛…リヴァイとしてみたいです笑 (10月10日 11時) (
レス) id: d2213b78f9 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 感動しました 夢の中のハンジさんの言葉があったからこれから進んでいけるのかなって思いました。オトナの恋愛って感じの切なさがなんか好きです、、、 (10月5日 10時) (レス) @page23 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
ico(プロフ) - みたらし団子バカさん» こんばんは！悲恋が大好物とのこと、お口に合ってよかったです！わぉ毎日！？大歓迎です！ありがとうございます！！ (2018年9月22日 22時) (レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
みたらし団子バカ - オトナの悲しい恋愛ですね！こういう手の悲恋は大好物です！毎日伺います！ (2018年9月22日 10時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)
ico(プロフ) - リヴァイ=神谷さん大好き♪さん» はじめまして！感動して下さる方がいることに感動しちゃいました。嬉しいです！感受性が豊かな読者さま、大好きです！私も兵長の台詞を胸に前進します！ありがとうございます！ (2018年2月19日 15時) (レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ico | 作成日時：2017年7月3日 14時
