神の御加護の元【完】 (ページ23)

今日:30 hit、昨日:14 hit、合計:211,843 hit

1-2 ページ23

.

『失礼致します、

〇〇大学〇〇学部、白川A と申します。
よろしくお願い致します。』

何度目かの面接なので入室動作はスムーズにできた。

座るように促され、失礼しますと言い座った。

「面接官の篠崎です。本日はよろしくお願いします。」

「社長の京本です。〇〇大学だとうちの息子と同じ大学だ。知り合いかな？」

彼氏のお父さんとの初対面が面接だなんて私だけだろうなと思いながら質問に答える。

『はい、京本くんとは学部は違うんですが取っている授業が同じだったりと何かと関わりがあります。』

社長「仲良いの？」

『そうですね、良くしてもらってます。』

社長「息子の秘書になりたくて秘書課受けたの？」

………仲良いと言ったらそう思われても仕方ないのだろうか。

………だめよ、A。落ち着いて。

『すみません、質問の意図が分かりません。』

社長「ハッキリ言わないと分からない？もっと息子のとお近づきになりたくて…」

『いえ、なのでその質問の意図が分かりません。』

見た目がのほほんとしているからなのか、はっきり嫌悪感を見せた返答をすれば面接官の方も大我の父親兼社長もびっくりした表情を見せた。

『大我と仲良くなる前から秘書検定の準1級は取っていましたし、他の検定も自分の可能性を広げるために取ったものばかりです。たった1人の男性に人生左右さるほど落ちこぼれていません。』

…だめだ、止まらない。
腹が立ってしょうがない。

『お言葉を返すようですが、色々な方を見てきた謂わば人を見るプロのお二人が一目見て私自身の本質を見抜けないことにガッカリです。面接途中ですが、失礼致します。』

.